からくりサーカスオリジナルストーリー
からくりCD
(コミカルディフォルメ)劇場
「プッチのひみつの日記帳 第2章
あるいは「いつものオザキといつものマスムラ 〜花見編〜」

 

▼つき×にち

 

 きょう おざきと ますむらと ぐりもと よにんで

 はなみの せきとりに いきました。

 むらの みんなで はなみをするから

 きちんと ばしょを とっときなせえと

 でかけるまえに あしはなに ゆわれました。

 ひろくて きれいなばしょを みつけたので

 みんなで じんどりました。

 となりで えんかいをしてた さらりーまんたちが

 おざきやますむらを みて こそこそ にげました。

 ばしょが もっとひろくなって よかったです。

 

 ちっ なんで おれらが ばしょとりなんかを

 しなけりゃ ならねえんだと

 おざきが ぶつぶつ ゆいました。

 ますむらよ あとはおめえに まかせたぜ

 ぷっちを おいてくから

 くりのれんしゅうでも してろよなと ゆうとおざきは

 ぐりもにのって おんなをひっかけに いきました。

 どうせ おんななんて ひっかかるわけもないのに

 むだなことをするおざきは ほんとにばかだなあと おもいました。

 

 それから のこされた ますむらは

 ばかかおざき おれは にんぎょうなんかに

 たよるほど よわかねえよと ゆって くりを しませんでした。

 だから ばかかますむら おまえみたいな どへたくそに くられなくて

 こっちのほうこそ ほんとうに よかったよと ゆおうとしましたが

 なんとなく みのきけんをかんじたので やめました。

 かわりにますむらは とれーにんぐを はじめました。

 うでたてとふっきんを よんせんかいずつと

 ひんずーすくわっとを ごせんかいしました。

 

 さあ うぉーみんぐあっぷは これくらいにしてとゆって

 ますむらは けりのれんしゅうを はじめました。

 おっと これはいいのがあったとゆって

 そばにあった さくらのみきに けりを いれました。

 いっぱつで みきは みごとに へしおれて

 ばりばりとゆいながら さくらは たおれました。

 おおやったぜと ますむらは じょうきげんになると

 つぎからつぎへと さくらを けっていきました。

 さくらのきが みんな あとかたもなく たおれてしまいました。

 わはははと ますむらは とても うれしそうでした。

 だから うっかり くちをすべらしたりして けられなくって

 ほんとうに よかったとおもいました。

 

 そしたら ますむらのそばに ちかくでえんかいをしてた

 ぱんちぱーまの おとこのひとがきて

 おうおうにいちゃん わしらのはなみをじゃまするとは

 ええどきょうしとるやんけと けんかを うりました。

 すると ますむらはよろこんで けんかをかいました。

 そくざに おとこのあたまに かかとおとしをくらわしたら

 いっぱつで おとこは しにました。

 するとすぐ ますむらのまわりに

 かおに ぬいめのある おとこのひととか

 せなかに えをかいてる おとこのひととか いっぱいきて

 ああてめえ よくも わかがしらをとか

 くそう じんりゅうかいの めんつにかけて

 このがきに おとしまえを つけさせしたるとか ゆって

 てにしたどすや ぴすとるや にほんとうで

 つぎつぎに ますむらに おそいかかりました。

 

 お これはいいひまつぶしになるぜと

 ますむらは つぎつぎ おとこのひとたちを ころしました。

 そこへ なんぱにしっぱいした おざきとぐりもが かえってきて

 ちきしょう うさばらしだぜとゆって いっしょに ころしました。

 だれも くってくれるひとが いなかったのと

 たぶんますむらには てきみかたの みさかいが つかなくて

 うかうかしてると こわされるかもと おもったので

 だまって おざきとますむらが ころすのを みてました。

 でも ひとりもころせなくて ちょっとだけ くやしかったです。

 

 そしたらそこへ あしはなや むらのみんなが やってきました。

 みんなは さくらのきが いっぽんのこらず へしおられてたり

 おとこのひとの したいが そこらじゅうに ころがってるのをみて

 さすがにぼうぜんとして ことばも でませんでした。

 お おめえら このさんじょうは いったいなんなんですかいと

 あしはなが ゆいました。

 ああ おれが さくらのきを おったんだぜと

 ますむらが しょうじきに ゆいました。

 いま おざきに きいたけどよう しょうじきに こくはくしたから

 だいとうりょうに なれるんだよなと ますむらが ゆったので

 みんなでいっしょに ばか と ゆってやりました。

 ばかとゆわれて ますむらは しくしくと ないてしまいました。

 でも さんぼあるいたら すぐに わすれました。

 

 そのうちに ぴーぽーぴーぽーとゆう ぱとかーの さいれんが

 きこえてきたので

 おいやばいぞ さつだとゆって みんなで にげました。

 かえるとちゅう ぐりもと どっちがはやいか きょうそうしました。

 あしはなのほうが おざきよりちょっと へたくそじゃなかったから

 はやくはしれて なんとかかちました。

 とても うれしかったです。

 あしはなのにんぎょうでよかったと ちょっとだけ おもいました。

 

 ぐりもが なんぱにしっぱいした おざきに やつあたりされたり

 さくらのきとまちがわれて ますむらに けられたりしないといいなと

 ちょっと しんぱいに なりました。

 

おしまい

(H12.3.31 R.YASUOKA)

 

おことわり:
 本作はフィクションです。
 文中に登場する、あるいは想起される人物・団体・事件・人形・おとこのひとたちはすべて架空で、実在のものとはまったく無関係です。
 また、本シリーズの着想は文さんより、本作の着想はホームページ「懸糸傀儡の糸」のチャットよりいただきました。
 文さん、そしてチャットにおつきあいいただいたKさん、Masamiさんに心より感謝します。