からくりサーカスオリジナルストーリー
ぷっちのひみつの日記帳
〜禁断禁制開封厳禁黒賀裏の蔵篇〜

 

きょう くろがむらで うらのくらの せいりをしました。

うらのくらは くろがむらに ふるくからある くらで

むらのみんなが いろんなものを しまってます。

おさのめいれいで うらのくらは

ふだんは あけちゃいけないことに なってますが

このまえに あしはなへーまが かってにあけて

でんどろびうむをもちだして くらのなかを

はちゃくちゃめちゃに ちらかしてしまったので

ぷっちが せいとんすることに なったのです。

ほんとはぷっちは めんどくさくて やでしたが

おさが あとであぶらをさしてくれると ゆったので

がんばって せいとんすることに しました。

 

くらのなかに はいると

くらいけど とてもひろかったです。

しばらく つかわないものとか それから

いまは ようのないものとか いろんなのが ありました。

けど へーまが いろいろひっかきまわしたので

はちゃくちゃめちゃに ちらかってました。

それをいっこいっこ せいりして

とうぶん いらないのは くらのおくへ

はんたいに そのうちいりそうなのは くらのてまえへ

いっこいっこ きちんと うごかしました。

それから もういらないものは すてました。

なまえわすれたけど えるふおたくの きょうだいの

えるふこれくしょんとかが あったので

たぶん えるふおたくは もうにどとでてこないだろうからと

もえないごみに せいりして すてました。

 

いろいろ せいりすると そのうちに

くらのなかには よゆうの すぺーすが できたので

くらのそとに あるもので いらなくなったものを

くらのなかに しまおうと おもいました。

だからまず むらへかえって あしはなのいえに いって

ぞなはでねてた あしはなのいっかを はこびこんで

くらのおくのほうに しまいました。

たぶん とうぶんでばんがなくて つかわないから

おくのほうに しまいました。

 

けど それでも すぺーすが あまったので

ついでに むらにいた なかまちさーかすの れんちゅうも

とうぶんでばんがないから ついでに しまいました。

おいなにすんだぷっちやめろと なかまちが ていこうしたので

こんぼうで なぐりたおして しまいこみました。

とくに みつうしのおやこは

たとえでばんがあっても やくにたたなくてつかわなさそうだったので

くらのなかの ながもちに しっかり しまい

でれないように ちゃんと かぎをかけて あげました。

 

りーぜはさいしょ まさるさーんとゆって ないてましたが

くらのおくのほうに しまわれっぱなしだった どらむが

がおーとゆって しっぽをふりながら でてきたので

かんどうのさいかいが できて よかったです。

けど すぐまたでばんがくるかとおもって きがかわって

りーぜだけ くらのそとへ だしておきました。

りーぜは またも どらむと ひきはなされて

ああどらむー とゆって また ないてました。

だからぷっちも ちょっと もらいなき してしまいました。

 

それから くらのおくのほうを みると

りーぜのままさんと なりたが ならんでるのを みつけました。

だから びるまも いっしょに ならべて

そっくりさん ほんものはだれだー と うたって あそびました。

けど さんにんならべると みわけがつかなくなって

あとでだすときに わかんなくなってまちがえると いけないので

きちんとわけて せいりすることにしました。

とりあえず でばんのありそうな びるまや

かいそうしーんが あるかもしれない りーぜままさんを

くらの てまえのほうに うつすことに きめました。

りーぜままさんを うつしながら

りーぜのおばちゃん またでてこれると いいねとゆいますと

あたしはなりただよだれがおばちゃんだってきいいいいと

おこられて こうげきされて しまいました。

どうやら そっくりさんの りーぜままさんと なりたを

まちがえちゃった みたいです。

だから ごめんなさいと あやまって

くらのいちばんおくに しまおうとしたら

あたしはもうにどとでてこないてゆうきなのきいいいいと

また おこられて こうげきされて しまいました。

いっぱい こうげきされたけど

けど ぷっちは にんぎょうだから へいきでした。

 

なりたを くらのおくに しまってから

また くらのせいりを つづけました。

そしたら くらのなかで いっぱい

ちょっとだしたけど ぜんぜん つかわれないで

しまわれた ふくせんとかが みつかりました。

あしはなが まさるに たのまれた ようとか

まちいしゃが ぞなはびょうを しってたわけとか

しろがねが さーかすをしなきゃならない りゆうとか

あと にんぎょうのくるまにかいてた へんなじの いみとか

ほかにも いろいろ あったのですが

なんか なかったことにしといたほうが よさそうなので

みて みぬふりを することにして

めにつかないところに そっと しまいました。

けど とちゅうで きがかわったので

ちゃんと ほこりを ふうっと ふきおとして

くらのてまえの めにつくとこに おきなおしました。

こうすれば ふぢたせんせも きっと きがついて

うまく つじつまを あわせてくれるから

あしはなの たのまれた ようも

ちゃんと きちんと さんでーほんしに

でてくると いいなと おもいました。

 

あと なんでか くらつながりで

くらのおくのほうに やりにささった ようかいがいました。

これも やっぱり みてみぬふりを しました。

おいまてぷっち わしをしかとすんな むしすんな

このやりをぬきな そうしたら

おもてにのさばってる ぞなはむしとか

へいすれすれ(ふぇいすれす)のやろーも

みんな まとめて このわしがぶっちめてやるぜ

とか いろいろ ゆいました。

 

なるほど たしかに このようかいだったら

なるみとか まさるよりも きっと つよいから

ぞなはむしも へいすれすれも やっつけてくれるなと

もうすこしで やりをぬきそうに なりましたが

ようかいの くちぐるまに うっかり のって

うっかり そとへ だして しまいますと

ぷっちには じつは よくわかんないけど

いろいろと たいへんなことに なりそうな きがしたので

おもいなおして みてみぬふりを しました。

それだけじゃなくて

ほかのだれかが うっかりそとへ ださないよう

たとえば ふぢたせんせとかが ゆきずまって

にんきばんかいのてこいれさくだ わおー とかゆって

やりを ひきぬいて そとへ だしたりしないよう

げんじゅうに しばりつけて ぬいつけて こていしときました。

 

それから まだ すぺーすが あいてたので

こんどはなにをしまおうかなと かんがえてたら

かんがえてて まわりに きがつかなかったので

そばに あった ながもちに つまずき ころんでしまいました。

あいたたたたと ゆいながら

でもほんとは にんぎょうだから いたくないのですが

にんげんみたく いたそうなふりをしながら たちますと

ころんだひょうしに ながもちの ふたが ずれて

はずれて あいてしまったのに きがつきました。

だから ふたをしめようと なかを のぞきますと

その ながもちの なかには なんにも なくて

からっぽの そこぬけで よくみると

したのほうに おりていく かいだんが ありました。

どうやら ひみつ かくしかいだん みたいです。

かいだんの したの おくの ほうから

ほわっと つめたくて ぶきみなくうきが ただよってます。

にんぎょうだから ぷっちは つめたいとか かんじないのですが

まあ そこは みのがしてください。

 

なんか やばそうな あやしい ふんいきだったので

おりてみることに してみようと おもいました。

けど そしたら とつぜん ぷっちの うしろから

たーたーりーじゃー たーたーりーじゃー と

おばあさんの しわがれた こえがして

いきなり こえがしたので ぷっちは びっくりして

しんぞうが ばくはつしそうになりました。

ぷっちはにんぎょうだからしんぞうもないのですが

やっぱり そのへんも みのがしてください。

 

びっくりして ふりかえると

かみを ふりみだした こわいおばあさんが たってました。

けど よくみると おばあさんは

るしーるか まりーか たにあかの だれかと わかりました。

わかったけど やっぱり こわかったです。

そのおばあさんは ぷっちを にらんで

ええいぷっちそのながもちにふれてはならん

みだりにふれるものにはみょうじんさまのたーたーりがくだるであろう

たーたーりーじゃー たーたーりーじゃー と ゆって

ぷっちを とめようと してました。

なんか すごく こわかったけど

ぷっちは ゆうきを ふりしぼって

おばあさんを こんぼうで なぐりたおしました。

けど おばあさんに はんげきされて

ぷっちも きかんじゅうで にさんぱつ うたれたけど

にんぎょうだから へいきでした。

すかさず こんぼうを ふりあげますと

うっかりと こんぼうが おててから すっぽぬけて

くらの てんじょうに とんでって なんでか つってあった

だんごむしみたいな ふぢたせんせの かわらに あたり

その かわらが おばあさんに おちてきました。

おばあさんは ぎえええと ゆって かわらに つぶされて

そのまま しずかに なりました。

 

おばあさんを げきたいしてから

ながもちに はいって かいだんを おりますと

なかは くらくて よくみえませんけど

ぷっちは にんぎょうだから へいきでした。

どうやらそこは てんねんにできた どうくつみたいです。

すべらないように きをつけて あるきますと

あやしい くうきが おくのほうから ただよってきますので

それを つきとめようと おくのほうへと あるきました。

 

そしたら どうくつは きゅうに ひろくなって

ひろい おおきな おいけが ありました。

おいけの すいめんが ひかりを たたえ

ぼんやりと あおじろく あかるく なってて

ゆらゆら ゆれて すごく きれいに みえました。

どっかてんじょうから しずくが たれて

ぽちゃんと ゆうおとが ひろがりました。

 

なんか きれいで しずかで よかったので

しばらく ほかのことも わすれ ぽえっと してますと

うううううう うううううと 

おとこの ひくい うめきごえがするのが きこえました。

こえに きがついて ぷっちが みますと

いけのほとりが だんだんに なってて

そこに よろいかぶとが かざられているのが ありました。

おおきな ごがつにんぎょう みたいでしたので

さいしょは くろが にんぎょうてんの

できそこない にんぎょうかなと おもいましたが

けど ちがくて よくみると

ほんとのにんげんが よろい かぶとを きこんで

だんだんに こしかけてるのが わかりました。

どうやら あやしいくうきも そこがおおもとのようです。

いけのあかりで したから てらされて

なんだか ぶきみで こわかったですけど

ゆうきをだして ちかよりますと

なんと にんげんは はざまでした。

ぐらさんが ぼんやり あおじろく ひかり

うめきごえのように いきを してました。

 

どうやら はざまは しばらくみないと おもったら

こんな くらのおくのおくに しまわれてた みたいです。

 

そしたら はざまも ぷっちに きがついて

おお ぷっち ぷっちじゃねえか ひさしぶりだなあ

と ゆって ぐらさんに なみだを うかべました。

だからぷっちも ひさしぶりだね どうしたの と きくと

それがだな ふらっと むらに たちよったとき

あの くそばばあたちに むりやり ここに らちられて

なんのぱろでいか こんな よろいを きせられて

ねこいらずで どくさつ されそうになったりして

どうにかなんとか いきぬいて きたんだぜ ううううと

かんきわまったのか やっぱりなきながら こたえました。

 

なるほどと ぷっちは がてんが いきました。

きっと あのおばあさんは ぷっちみたく くらのせいりをして

いらなくなったはざまを くらの おくのおくに しまったんだね

もう はざまは いらないから ぷっちが だしたり しないよう

たーたーりーじゃー と ゆって ぷっちを おどかしたんだねと

うっかり くちをすべらせて ゆいました。

いらなくなったとはどうゆうことだぷっち

おれがいなくなったらだれがあにきとこんびをくむんだよ と

つばを とばして はざまが おこりました。

へいきだよ はざま あんしんしてよ

あしはなには ちゃんと こんびとして じょーじが いるからね

そういや じょーじも こないだ しんだけど

もうみんな ふぁんのみんなもみんな はざまのことなんかわすれて

じょーじじょーじで おおもりあがりしてるからね

はざまなんか いなくても もう だれも しんぱいしてないから

だから あんしんして いいんだよと ゆいました。

 

そしたら はざまは なんでか おこりました。

なんでだか なきながら おこりました。

どこにあったのか そばから さんだんじゅうを とって

あたまに かいちゅうでんとうを にほん つけて

あと にほんとうとか げーとるとか いろいろつけて

ちきしょう こうなったら じょーじのやろうを ぶっころして

それから ばばあも おさも ひとりのこらず ぶっころして

ふぁいすれすも ぱんたろーねも まさるも みなごろしにして

あにきと し しんじゅうしてやるんだ うへへへへと

おおごえで わめきちらしながら だんだんを おりました。

 

だから おちついてよ はざま

じょーじはね とっくにしんじゃってるから

もう ぶっころしたり できないんだよ

しんでるものは ぶっころせないんだよわかる と ゆいました。

そしたら はざまは なんでか うおーとさけんで

さんだんじゅうで ぷっちを うちました。

さんだんじゅうで あなだらけに なったけど

でも ぷっちは にんぎょうだから へいきでした。

 

だけど だんだんを おりてた はざまは

いきなり あしを すべらせると

すってんころりんと だんだんから ころがって

そのまま おいけのなかへ おっこちて しまいました。

うげーごぼごぼと おいけのなかで もがきながら

はざまは なんとか はいあがろうと してました。

かしをかいたら じゃすらっくに おこられるけど

なんだか どんぐりころころ みたいでした。

だから ぷっちは どんぐりころころと うたいながら

さあたいへんと はざまを たすけようとしました。

たすけながら ここで どじょうがでてきて

こんにちわしないかなと わくわく してました。

 

けど どじょうじゃなくて かわりに はざまの うしろに

おおきなおおきな さかなが あらわれて こんにちわしました。

どうやら くろがむらに ながねんいきているとゆう

みょうじんさまの ようでした。

ふりかえった はざまは みょうじさんさまを みて

ぎゃー とゆう ひめいを あげると

ばたばた およいで たすけてくれぷっちと ゆいました。

けど ぷっちは みょうじさんさまと はざまが

いったい どうやって あそぶのかなと

わくわくしながら かんさつしてたのですが

けど みょうじさんさまは いっしょに あそばないで

ぱくっと ひとくちで はざまを のみこみました。

そして そのまま おいけに もぐって

おおきな あぶくを ひとつだけ うかばせると

それっきり すがたを みせなくなって しまいました。

あとには ただただ きれいな おいけだけが

ただ しずかに しずかに ゆらゆら してるだけでした。

 

そのあと しばらく ぷっちは おいけを みてましたが

みょうじんさまも はざまも もどって こなかったので

そのまま あがって くらにと かえりました。

とりあえず いらないものが みんな かたずいて

よかったかなと おもいました。

けど よくかんがえたら やっぱり あれは

じつは みょうじんさまの たーたーりー で

はざまが それで ぷっちのみがわりになって

たーたーりー に なってくれたのかなと おもうと

なんか はーとふるになって かなしくなって しまいました。

だからこのあと みょうじんさまが ふらんすまで およぎついて

おくちのなかから はざまがでてきて かつやくして

みんなのやくにたってくれると いいなと おもいました。

 

おしまい

 

(H17.6.26 R.YASUOKA
(Based on comic,
('Le Cirque de KARAKURI',
(by Kazuhiro Fujita)

 

おことわり:
本作は「からくりサーカス」をモチーフにしたフィクションです。
本作中の、または想起されるいっさいの人物・団体・事件・映画・童謡その他は実在のものとは無関係です。