からくりサーカスオリジナルストーリー
ほのぼのCD
(コミカルディフォルメ)劇場
「ぷっちひみつ日記帳
〜とびだせ熱血俺羽佐間編〜

 

×つき▲にち

 

きょう ぐりもと ぐりせると いっしょに

はざまのうちへ はざまをなぐさめに ゆきました。

あしはながいなくなってからと ゆうものの

はざまは ひとりぼっちで さみしがって

まいにちまいにち ぬぼーっとしてたからです。

はざまは あしはなのほかには だれもともだちが いないので

せめておまえら あそんでやれ と おさが ゆったから

いやいや ゆくことにしたのです。

けど いやいやでも まじめにがんばれば

きっと いいことがあると おさはゆいました。

だからぷっちは いっしょうけんめい がんばって

いやいやはざまのめんどうをみようとおもいました。

 

はざまのうちへゆくと はざまは

えんがわで しゅうかんしょうねんさんでーを ひろげながら

あしの つめを きってました。

おうぷっちじゃねぇか おまえら よくきてくれたなとゆって

はざまは わりとげんきそうで

いまおちゃをいれるからと ゆいました。

ぷっちはにんぎょうだから おちゃがのめないのに

はざまはばかだなと おもいました。

でも いやいやがまんして のむふりをすると

はざまは うまいかとゆって よろこんでくれました。

あにきのためによういした ぎょくろなんだぜ

ふるくなったら まじいから ふんぱつしてのませんだと

ゆいかけた はざまは あにきとじぶんでゆったので

あしはなのことを おもいだして

あああにき いまごろどこでどうしているのかなと

ちょっと しゅんとなりました。

 

すると ぐりもが

あしはなのゆくえならさんでーにのってるよと ゆいました。

えっときづいて はざまは ああそうかと

さんでーを ぱらぱらめくりました。

さんでーにのってた あしのつめが

えんがわから にわに いっぱい おちました。

こなんも (5文字自主削除)も じぱんぐも みんなよみとばして

(もっとも (5文字自主削除)は もともといつもよみとばしてましたが)

おっこんしゅうはけっこうまえにのってるなと はざまはゆって

からくりさーかすのぺーじをみつけて よみはじめました。

ああこんしゅうは さはらだな

あああにきはやっぱり かっこいいなと うっとりしてました。

はざまのくちのはしから よだれが でてたので

ゆかにおちてた ぬのきれで ふいてあげました。

 

あしはなといっしょじゃなくて さみしいね

ひとりぼっちで つらくないの と ぐりせるがゆうと

なぁに あっしはあにきに くろがのむらのれんちゅうの

めんどうみを まかされたんだぜ

だからとても さみしがってなんて らんねえぜ ははははと

はざまはつよがって わらって ゆいました。

 

でも もし さはらで あしはながしんだら

もうにどと あしはなに あえないよねと

ぐりもが うっかり くちをすべらせたら

はざまのかおから えがおがきえて

ぱたむと さんでーが ゆかに おちました。

 

みんなで しまったとおもって みてますと

さんでーの ひらいたぺーじの さらだでいずの

いつも いつでも おなじかおの ひろいんのうえに

なみだのつぶが ぽたり ぽたぽた おちました。

あ ああ あああにきぃ と はざまが

ひくい かぼそいこえで さみしそうにゆいました。

どこまでもついてきやすって ゆったのに

なんであっしをおいて いっちまったんですかい ううううと

かおをゆがめて ゆいました。

こらえきれずに あふれる なみだが

こんどは いつもやっぱりおなじかおの しゅじんこうに おちました。

 

そ そんなになかないでよと ぐりせるが なぐさめました。

げんきだしてよと ぐりもも ゆいました。

はざまには むらをまもるって だいじなやくめがあるから

おざきや ますむらとか かのうとかをまとめていかなきゃと ゆいかけて

ああそういえば ろくなめんつが のこってないね

こんなれんちゅうといっしょにされるなんて はざまもたいしたことないね

もしかして ていよく やっかいばらいされたのかね かわいそうにと

うでをくんでかんがえて つぶやきました。

たいしたことなくて わるかったなううううと

はざまが またないたので

そんなことないよ なかないでと みんなで なぐさめました。

 

なんかゆわないと くうきがおもくるしかったので

だから ぷっちも

そうだよ あしはななんてわすれて たのしくやろうよと ゆいました。

どうせあしはなだって はざまのことなんて すっかりわすれて

いまごろじょーじと たのしくやってるからさと ゆいますと

そしたらはざまは わああああ なんであっしじゃなくて

あんなたまのりじょんれのんとこんびくんぢまったんですかいと

さんでーを ひきさいて なきながら わめきました。

それはきっとねと ぐりもが ふぉろーしてゆいました。

さいきんのからくりは つよさが いんふれしてるから

でのみになって よわいきゃらとか やくにたたないきゃらが

まとめて きりすてされたに ちがいないよ と

えっへんと むつかしいことばで かいせつしました。

いみは よくわかんなかったけど

とにかく ぐりもは ものしりだなと おもいました。

でも それがきこえた はざまは あんぐりおおぐちを あけて

それから りょうてでかおをおおって なぜか おいおい なきだしました。

 

あっでも へなちょこな やられやくの しろがねおーが いっぱいでて

それがきっかけで でふれすぱいらるになるかも しれないから

そしたら はざまみたいなよわっちいきゃらにも

ひの あたる かのうせいは きっとあるよと

ぐりもが あわてて またふぉろーしました。

むつかしいことばがでて やっぱりいみはよくわかんなかったけど

だけどどうやら はざまには ふぉろーにならなかったようで

ううううう どうせあっしは へなちょこきゃらですよ

あっしはこうして どくしゃにもへんしゅうにもわすれられて

それでも ふぢたせんせはわすれてねぇかも しれねぇけど

だけど なかまちみたいに まちがっておぼえられてて

はかまとか はねまとか はりまとか はりまおおじさんとかいった

へんななまえでしか さいとうじょうできねぇうんめいなんだと

ひざをかかえて へやのすみっこにいくと

しくしくしくしく なきだしました。

だからぷっちは あ なんかはざまってなまえよりも

はりまおおじさんのほうが かっこいいかもねと ふぉろーしましたが

はざまは もうなんにも へんじしないで ただただ

へやのかべに がんがんがんがん あたまをうちつけはじめました。

 

あまりにはざまが かなしんでるので

みんなで おうたをうたおうと ぐりもが ゆいました。

だからみんなで はざまをはげますうたを うたいました。

はざまは おやじだから さいきんのうたは やめて

まずさいしょに かなだからのてがみを うたいました。

そしたら うたのとちゅうで はざまは

うううあにき てがみくれぇ よこしてくだせぇと なきました。

みしらねぇまちで まよってんじゃねぇでしょうねとも なきました。

 

だから かなだからのてがみは よしにして

もっとあかるいてんぽの うたにしようと ぐりもがゆって

なぜか そばにあった しゃみせんを てにとると

あっぷてんぽな いんとろを じょうずに ひきはじめました。

うまいねぐりも それなんてうたなのと たずねたら

まつむらかずこの かえってこいよ と ゆうんだよと こたえました。

それを きくなり はざまは ぜっきょうしました。

ああああにき かえってきてくれぇと さけんだので

かえってこいよも やめにすることに しました。

せっかくれんしゅうしたのにと ぐりもが ざんねんがりました。

 

それじゃこんどはぼくのばんだと ぐりせるが ゆって

ざ とらぶりゅーの ろーどを うたおうと ゆいました。

かっこいいなまえの うただと おもいましたが

しらないおうただったので どんなうたなのと たずねたら

こいびとをなくして ひとりぼっちになったおとこの

ひとりぼっちのさみしさをうたった かなしいうただと ゆいました。

おいおいそれじゃはざまがますますおちこむぜと ぐりもがゆうと

えー せっかくじゅうさんしょうぜんぶおぼえたのに と

ぐりせるも ちょっと ざんねんがってました。

ちょっとさみしそうで かわいそうでしたから

いつかじゅうさんしょうぜんぶを うたってほしいと おもいました。

 

ほかになにかないかと きかれたので

それじゃ はざまがすきそうなえんかを うたうことにして

さいきん おぼえたばっかりの

きたのやどからとゆう うたを うたいました。

かしをかいたら じゃすらっくにおこられて

しちがつついたちから おかねをはらわないと いけないから やめますが

きたのやどから あなたかわりないですか と たずねるうたで

きてくれないのに あみものを なみだこらえてあんでる うたです。

うたのとちゅうで かしのいってるいみに きがついて

これはまずいと おもいましたが でも

せっかく きもちよくうたえたから つづけてますと

はざまは うううあにきぃぃとゆってまた しくしく なきました。

 

かわいそうになったので きたのやどからは やめて

かわりに にたなまえの きたのくにから を うたいました。

みんなでいっしょに はざまをかこんで

あーあーあああああーああー と

さだまさしっぽく さみしく ものがなしく うたいました。

ぐりもが ちょうしにのり はざまの みみもとで

ほたるーとゆって たなかくにえの くちまねしました。

そしたら はざまは おこりました。

くそうてめえら どこまでひとをおちょくりゃきがすむんでぇと ゆって

ぽけっとから じゅうをひきぬき ばんばん うちました。

てんじょうや たたみや はしらにあたって

あたりが しょうえんくさく なりました。

たまが ぷっちにも あたりましたが

にんぎょうだから へいきでした。

ですがはざまは すっかりあたまに ちがのぼり

なにもかも みさかいなく じゅうを うちつづけました。

 

あんまり はざまが うるさいので

こんぼうで なぐりたおそうと おもったら

いきなり ぐりもが

ばか とゆって はざまを なぐりました。

なぐられた はずみで はざまは てんとうして

えんがわから にわにころげおちました。

てめえ にんぎょうのくせにな なにしやがるんでいと

きれたくちびるをぬぐって はざまがゆいますと

ぐりもは ぐりもの おおきなめから

めと おなじはばだけ なみだをこぼしながら

なんで なんでそんなにひねくれてしまったんだはざま

でばんがないから あしはなにみすてられたからって

そんなにおちこんでばかりじゃ せんせいはかなしいぞ とゆいました。

 

おまえがそんなじゃ せんせいばかりじゃない

てんごくにいる さのや のぐちや たかみだって きっと

いまのおまえの ふがいなさを かなしんでるにちがいないぞと

こないだみた むかしのせいしゅんどらまをまねして ぐりもはゆいました。

さのやのぐちなんて あんなれんちゅうに

かなしまれたってどうでもいいと おもいましたが

のりまくった ぐりもが よしかわくん と くちまねしてるので

よこから くちをはさんじゃ わるいとおもって ゆいませんでした。

 

くちごたえもできないはざまに なおもぐりもは

いいか かなしいのはおまえだけじゃない

でばんがなくてかなしんでるのは おまえだけじゃないんだ

ここにいるぷっちも ぐりせるも もちろんせんせいだって

と ゆいながら ぐりもは

いつのまにかじゅんびした こくばんに でばん とかいて

はいいーですかー でばん と ゆうじは と

たけだてつやの ものまねを はじめました。

かしをかくと じゃすらっくに おこられるのなら

ものまねしたら たけだてつやに おこられるのかなと かんがえてたら

ううせんせえ すまねえ あっしがまちがってやした

でばんがねぇから さみしかっただけなんだよぉと ゆいながら

ぐらさんとおなじはばだけ なみだをこぼして

はざまが ぐりもに だきつきました。

 

そんな はざまを だきしめて

かぁぁぁぁとぉぉぉぉ と たけだてつやのものまねしてた ぐりもは

それからまた よしかーくん と べつの くちまねすると

おおきな おひさまを ゆびさして

さあ せんせいといっしょに あのゆうひにむかって はしるんだと

はざまを だきよせたまま ゆいました。

だけどまだ おひるで おひさまは あたまのうえだったから

こっそり ぐりものゆびを にしのほうへと しゅうせいしてやりますと

うんせんせえ どこまでだって はしってやるぜと

はざまは ゆって それから

ぐりもがゆびさす にしへ むかって かけだしました。

ゆびのさきに おざきのいえが ありましたが

はざまは そのかべをぶちやぶって

がむしゃらに まっすぐ はしってって

そのまま みえなくなりました。

ぐりもは それを みおくって

ばいばーい げんきでねと てをふりました。

さっきから はなれたきのかげで

あきこねえちゃんの まねして みてた ぐりせると ぷっちも

いってらっしゃーい きをつけてねと いっしょに てを ふりました。

 

それから

はざまのやつ どこまではしるのかな と ぐりせるが ゆいますと

ぐりもが もしかして あのままにしへはしって うみをわたって

さはらさばくにつくかも しれないねと こたえました。

そしたら あしはなにも あえて

さいとうじょうもできて でばんができて いいねと ゆいました。

ただね どうせさいとうじょう したいなら

さはらじゃなくて しょうがくかんへ いって

ふぢたせんせに じきそしたほうが はやいのにねとも ゆいました。

ああそのてがあったねとゆって ぐりせるといっしょに わらいました。

けど いっぱいわらって しずかになったとき

ちょっとだけ はざまがかわいそうに なりました。

だから どうかからくりさーかすが れんさいがずっとつづいて

はざまがさはらにつくまえに れんさいが うちきられたり

それとも からくりへんがおわって はなしのぶたいが

べつのところに うつったりしないといいなと おもいました。

 

おしまい

 

(H13.5.27_R.YASUOKA
(Based on comic,
('Le Cirque de KARAKURI'
(by Kazuhiro Fujita)

 

おことわり:
本作は「からくりサーカス」をモチーフにしたフィクションです。
登場する、あるいは想起されるいかなる人物・団体・事件・作品・歌曲その他も、実在のものとはいっさい無関係です。