からくりサーカスオリジナルストーリー
ほのぼのCD
(コミカルディフォルメ)劇場
ぷっひみ日記〜酒尾崎増村〜

 

▲がつ■にち

 

きょう はざまと おざきと ますむらと ぷっちとで

よるの はんかがいに くりだしました。

あしはながいなくなってから はざまが ふぬけみたいになってしまい

しごとのちゅうもんをまちがえて いらいにんをころしたり

ぎゃらをまちがえて じゅうえんしか もらわなかったことが

たびたび つづいたからです。

このままでは むらが ほろんでしまうと おさが

おいおざき おまえら こいつをきばらしにつれてけと ゆったのです。

やったただざけがのめると おざきたちは おおよろこびで

にわさきでぼーっとして こいにえさをやってた はざまをつれ

そしてみんなで ぷっちにのって でかけました。

 

よるのまちは ねおんがぴかぴか ひかってて

なんだか とても きれいでした。

そしてそこには しごとがえりの さらりーまんとか

おーえるとか じょしこうせいとか

あと やくざやちんぴらとかが いっぱいいましたが

みんな おざきたちに おそれをなして

だれひとり めをあわせようと しませんでした。

とくに くろがのおそろしさを しってる やくざたちは

ああそういやちかごろけんかしてねぇなと ますむらがあくびすると

わああっとさけんで いっせいに

まるで くものこをちらすように にげました。

やくざが いなくなって

まちがへいわになって よかったです。

 

なぁおざきと ますむらがゆいました。

おさがいうからしかたねぇがよ

ほんとにこんなふぬけのあいてをしなきゃなんねーのと

ぼーっとして ぷっちにのってる はざまを ゆびさしました。

もともとふだんから ぬぼーっとしてる はざまは

あしはながいなくなって ますますぼーっとなって

ただただぬぼぼーっとしてました。

ばかゆってんじゃねぇ ますむらと おざきがこたえました。

こんなやつは とっとと

にちょうめのげいばーにでもうっちゃらかして

おれたちは おさにもらったかねを ぐんしきんに

ぶいぶいなんぱでもりあがんだぜと ゆいました。

なるほど さすがおざきは あたまいいなと

ますむらがかんしんして ゆいました。

 

そしたら とつぜん

あああにきとゆって はざまが ぜっきょうしました。

どうやら とおりがかった こーとすがたのさらりーまんを

あしはなと おもいちがったようです。

ああああにきあいたかったよぉ

どぉしてあっしをのこしていっちまったんですかいと

なきながら はざまは さらりーまんにおそいかかりました。

やべぇぜおざきなんとかしろと ますむらが ゆいますと

まかしとけ そのために ぷるちねるらをつれてきたんだぜと

おざきが かっこよく いとをくりました。

(でもやっぱり おざきはおざきだから かっこわるかったです。)

 

いとをくられて ぷっちは

しぶしぶうごいて はざまを つかまえました。

おざきがへただったから ほんとは うごきたくなかったのですが

おざきがすねると ますむらがあばれて

なにをされるかわからなくて とてもこわかったからです。

だからはらいせに はざまをいきおいよく どうろにたたきつけ

それから よんほんのあしで かわるがわる ふみつけました。

さすがおざきだぜ かっこいいなと ますむらが

たすけたさらりーまんから たすけりょうを ふんだくりながらゆいました。

ますむらにほめられ おざきはうちょうてんで

ぐっとぽーずをつけて とくいがりました。

たたきつけられた はざまは めを まわしてました。

あたまから ちを いっぱいながして

なんか かりふらわーみたいになって へんでした。

 

どうすんだよこいつ と ますむらが

きぜつしたはざまをこずいて ゆいました。

しかたねぇ げいばーにつれてくのは あとにして

めがさめるまで ぷっちにのせたまま はこぶとするかと

おざきがゆって そのまま

とりあえず たかそうなばーに ゆくことにしました。

ふだん やすいいざかやで やすざけしかのんでない おざきは

ちょっと かちこちに きんちょうしてましたが

どあをあけるなり ぷわーんとただよってきた

けばいおねぇちゃんたちのふぇろもんに

たちまち はなのしたを のばしました。

 

そしておざきは おさからもらった さつたばをみせて

さあこんやはじゃんじゃんのむぜぇと おおごえをはりあげました。

このみせはいまからかしきりだ

たかいさけと きれいどころを かきあつめてこい

それからこいつには たかいりょうりを いっぱいもってこいと

ますむらをゆびさして おざきは ゆいました。

そしたら たべものときいて ますむらのかおも たちまちゆるみました。

それをきいて ぷっちは

ああ おざきは とてもますむらおもいなんだなと おもって

ちょっと はーとふるなきぶんになりました。

 

それから どんちゃんさわぎが はじまりました。

おざきは あつまってきたおねぇちゃんのほおを さつたばで はたいたり

おねぇちゃんのしたぎに いちまんえんさつを ねじこんだりして

とても すけべそうなかおして たのしんでました。

どうだますむら これがおれのいつものてだぜ

あしはななんかがいなくとも くろがのむらは

このおれさまがささえてやるぜと とくいそうに ゆいました。

いっぽうますむらはと ゆうと

つぎつぎだされる おーどぶるを かたはしから たべつくして

ついには ざいりょうのまま なまにくや なまやさいをたべて

それもたりなくて こおりや がらすまでたべてました。

ときどき がおおおおとほえて

ちきしょお なんかひとあばれしてぇな

おい いきのいいやくざの ごろくにんでも つれてこいとゆって

みせのみんなを びびらせてました。

 

そうしてるうちに

おきゃくさんそろそろへいてんなんですがと

みせのおとこがやってきて ゆいました。

おうそうかいとゆって おざきが

さしだされたせいきゅうしょにめをやりました。

それから おざきがせいきゅうしょをつきかえして

おいあんちゃん ぜろがみっつばかり おおいじゃねーかいとゆいました。

ところがおとこもしれっと

とんでもない これがこのみせの せいきりょうきんです

まさかおきゃくさん はらえないとおっしゃるんですかと こたえました。

ふざけんなおら

おいにーちゃん おれたちからぼったくろうとはいいどきょうしてやがんなと

おざきがゆいました。

たべものにむちゅうになってたますむらも

おっけんかだなと かおをあげて ゆびをぽきぽき ならしました。

 

すると みせのおくから

ぴしぴしと むちのようなものをたたくおとが きこえました。

ふたりが おとのほうにめをやると

おくから ちゃいなどれすの かのうがでてきました。

げっかのう なんでおまえが ここにいんだよと

びっくりして おざきが ゆいました。

あらだって ここは あたしのおみせよぉ

れいによって かねもちのじじぃから

てぎれきんがわりに せしめたのよねぇと かのうが こたえて

また むちを ぴしぴしと ならしました。

すると ますむらは

じつは ねてるあいまに すいみんがくしゅうで

かのうにちょうきょう されてたので たちまちおとなしくなり

しっぽをまるめて あとずさりはじめました。

おいますむら しっかりしねぇかとゆう おざきにむかって

かのうが あらおざき いいのかしら

おさのめいれいで はざまのあいてをしてるはずが

こんなところであそんでるなんてばれたらたいへんよねぇと ゆって

ぷうっっと たばこを ふかしました。

しろい けむりが ちゅうにうかぶと

おざきが ひやあせを うかべました。

 

て てめぇ かのう

このおれたちを きょうはくするつもりかよとおざきが ゆいますと

あらぁ あたしは あたしのおみせの おきゃくさんに

のみだいきんを せいきゅうしてるだけなのよ

なんなら でるとこにでたって かまわないわよぉと ゆいますと

となりにいた みせのおとこが

(じつは かないが へんそうして ばけてたのですが)

こおりついたままの おざきのふところを まさぐって

さつたばを うばって かのうに わたしました。

それをかぞえて かのうが

あらあら これじゃぜんぜん たりないわぁ

それじゃおざき あんたたち このみせで はたらいてちょうだい

ほんとなら すまきにして とうきょうわんに しずめたり

じんぞうやかんぞうをうってもらうのが るーるだけど

あたしたちのなかだから とくべつだいさーびすよと ゆいました。

 

そして ついにあきらめた おざきたちは

みせのおくで さらあらいや そうじのしごとをさせられました。

ほかにも ほかのおきゃくからのとりたてとか みせのよびこみとか

いろんなしごとをさせられてます。

おざきと ますむらと それから きのついた はざまが

さんにんならんで さらあらいをさせられてるすがたは

とてもなかよしで いいなぁと おもって

またしても はーとふるなきぶんに させられました。

 

ときどきはざまが うううあにきぃ どこいっちまったんですかいと なきますと

うるせぇはざま てめぇのせいで こんなめにあわされたんだぞと

おざきがおこって はざまを ぶちました。

はざまのなみだとはなみずが ぽたぽたと あらったさらにおちますと

うおおおお おれのあらった さらがああと

きれたますむらが あらいかごをなげすててめちゃめちゃにしました。

すると それをめざとくみつけたかのうが

あらあら われたさらのだいきんごひゃくまんえん うわのせねと ゆいました。

それをきいて さんにんが がく と かたを おとしました。

ほほほほとわらいながら むちをぴしぴし ならすかのうが

なんだかしあわせそうにみえて よかったです。

あまりしあわせそうで またまたはーとふるなきぶんになったので

このはーとふるなみんなを ふぢたせんせが はやくおもいだして

はやく あしはなや それから じょーじみたいに

からくりさーかすに さいとうじょうできればいいのになと おもいました。

 

おしまい

 

(H13.5.13 R.YASUOKA
(Based on Comic,
("Le Cirque de KARAKURI"
(by Kazuhiro Fujita)

おことわり:
本作はフィクションです。
登場する、あるいは人物・作品・団体・事件その他はすべて架空であり、実在とは無関係です。