すぐ風化しそうでちょっと心配です
「貞義サマっ! 右手を大きく開いて前に突き出して!」 「こう!?」 「そう! それから拳をすぼめるように握りながら、顔の横までまっすぐ後ろに引いてッ!」 「こ、こうっ?」 「がちょ〜〜ん!」 「グリポン君……!」 「冗談ですよ貞義サマ〜〜。それじゃ今度は、腕を前から上に挙げて……」 「こう?」 「……背伸びの運動から〜〜♪ 1・2・3・4……♪
「そんな事やってる場合じゃないでしょ!」 「ぐぐぐ、苦しい貞義サマ……!! 「……こう?」 「違う違う、残りの指はちゃんと伸ばして! 「こう?」 「もっと速く!」 「こう?」 「もっと軽快に!」 「こ、こう?」 「とびマス♪とびマス♪」 「……この〜〜!」 「ワッ! ごめんなさいごめんなさい……! それじゃ今度は……」 「まさかと思うけど『三瓶で〜す』なんて絶対やらさないでよ!」 「……ちっ……」 「グリポン君! 今『ちっ』って舌打ちしたでしょ! ねえ!」
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……どうやらグリポン君、地下室でヒマなとき
ずっとテレビを見てたようです……。
(fin)
(H14.6.1_r.yasuoka)