アイヤー、待つアル、兄弟! しまたよ、兄弟、皆一気に飛び出したアル。ワタシその前に逃げとく、ヨロシだたネー。ワタシ、パンタローネと二人きり。これ、大変危険。地獄に決まてるアルよ。せっかく兄弟騙して連れてきた、コロンビーヌ様お供て言て騙したアル、あとで恨まれる。囲まれて糾弾されるアル。でも二人きりより千倍マシね。だけどこれ、意味なくなたアルよ。兄弟みな逃げた。パンタローネ、きと、二人きり退屈言て芸始める。ワタシ、逃げ場ない。いや、芸ならまだヨロシ。最近パンタローネ、こともあろうにダジャレに手染めたアル。ニホン上空通た時、テレビの電波で見たアル、これ、過ちの元ネ。パンタローネ、それ最先端の芸と思たアル。コレ勘違いネ。そう言て皆止めた、でも聞かない。ホント年寄り頑固ヨー。パンタローネ、その日からダジャレ始めたアル。何気ない会話混ぜる。油断できない、みんな苦痛アル。パンタローネ口開く、みな逃げる。ワタシ、また逃げ遅れるネ。逃げても捕まる、アルレッキーノ『お前が犠牲になるのだよ』言て鎖で縛るアルよ。コレ大変苦痛、つらいヨー。『おうチャイナ・ホーよ。わしのウィットとエスプリに富んだ知的なジョークを聞かせてほしいようじゃな♪』パンタローネ言て喜ぶ。つけて喜んでる。何もわかてない、コレ幸せアル、ある意味幸せアルよ。『ならば、まずは偵察でも行こうかのぅ。しろがねを、もっとよく知ろうがねぇ』困る。反応困るアル。目上の寒いギャグ、どうリアクションするか困るネ。流すか突こむか、無理笑うか、どれがヨロシか迷うアル。だから困る、するとパンタローネ声を落として『……しろがねを、もっとよく知ろうがねぇ……』繰り返す。反応あるまで続ける気。流せない。何かしないとまずいアル。だから笑た、無理に笑た。楽しいこと思い出して笑たアル。それ、マズかた。パンタローネ調子に乗た、『ほう♪ そんなに面白かったのか♪♪』いぱいつけて喜ぶ。喜んで勢いづく。これ、地獄の始まりアル。『ギイの奴を、ギイ=レッシュを倒せるよう、しっかり(レ)ッ習せんとならんのぅ』『フラーヴィオは抜け駆けしてマリーを倒したようじゃ。なんて悪(マ)リーやつなんだ』『ナルミをミルナ……おおっ、これはなかなか芸術的じゃのう♪』『からくりキャラのCGか、ドットーレをドットーれ描くのは大変じゃろうな』矢継ぎ早に続ける。続けながら、ちらちらワタシの反応窺うアル。反応困て何もしない、何かするまで同じネタ続ける。流せない、でも笑えない。困て何もできない。すると、パンタローネ、低い声で歌い始める。ドナドナ歌う。怖い。仕方ない、無理笑う。楽しいこと思い出して無理笑う。でもあまり楽しいことないアル。だから楽しい記憶捏造して無理笑う。笑うと喜ぶ、喜んで続ける。これ、悪循環アル。一度でいい。ワタシ、ちゃんと毅然と、つまらんやめろ、言いたい。でも言えない。言うと、きとパンタローネ落ち込む。両膝抱えてドナドナドナドナきと歌う。それ想像する、ワタシ何も言えないアル。ワタシ、弱腰アル。自分で自分、情けないアル。でもパンタローネ、ワタシの苦悩気づかないネ。気づかずダジャレを続けるアル。『パウルマン先生! アンゼルムス君が授業中にこっそりセーターを編ンデマス!』『アプ・チャーを再生してパワー・アップ・ヂャー!』『ルシールの肩こりに貼ルシール状湿布薬。貼ってもらってメルシーボクゥ……なんちゃって』『あるるかん、ご飯はあるる噛んで食べなさい』もう意味不明。完全に意味不明アル。キリキリ、キリキリ、油渇いて歯車きしむアル。もう限界、分解する思た、だから逃げた。笑うフリして隙作て逃げたアル。パンタローネ追てきた。泣きながら、ドナドナ歌いながら、それでもダジャレ続けながら追う。『チャイナ・ホー! どうか、わしのジョークを聞いてくだチャイナ!』耳塞いで逃げた。動物園に逃げたアル。パンダの檻、パンダの群、パンダに化けて隠れたヨ。タイヤにブラブラぶら下がる。パンタローネ来る、檻の外から中覗くアル、バレないよう、フランシーヌ様に祈りながら、パンダにまじて無心にブラブラブラブラ遊ぶアル。パンタローネ、じぃと見てる。ワタシ、ブラブラする。怖い、怖いヨー。でもガンバてブラブラする。ブラブラブラブラ。そしたらあきらめた。パンタローネ、檻の前から立ち去たアル。やた、助かたヨー! 安心したら咽喉渇いた。水呑みたくなたアル。そこへ親切な飼育係、バケツに水入れて来たアル。ワタシ、ありがと言て水ごくごく呑むネ。ついでに笹の葉、ちょと食べた。とてもおいしかたアルよ。おいしかたからお礼言おう思て飼育係見る。それ、飼育係違う。飼育係に化けたパンタローネあたヨ。変装を取てワタシ捕まえ、高らかに笑てこう言たアルよ。

 

『わははは、予測どおりじゃったな! 
わしは、パンタローネ。
そしてチャイナ・ホーよ、
たぶんお前は……パンダダローネ♪♪♪』

 

 

 

 

 

寒かたアル、真白になた、まわりのパンダ皆白熊になたアル。パンダ減てこれ、ワシントン条約違反。国連怒られるアルよ、薄れる意識の中、ワタシ、そう思たアル。だからパンタローネと二人きり、非常に危険アル。ワタシもナルミを探し行く、ヨロシね。