アイヤぁーっ!
 ゼンマイ止まるか思たアルよ。
パンタローネ様、いきなりチャイナ・ホー言う。
いつもロクなコトない。
悪夢いぱい甦るネ。
いきなりチャイナ・ホー呼ぶ。振り返る、するとギャグとばすアル。
戦闘中でも容赦ないアル。
リアクション困る。ワタシ寒い、つらいアル。
でもギャグまだマシね。
この前の闘い、もと怖かたアル。
18年前アル。
ニホンでしろがねどもと闘たときアた。
しろがね相手しながらパンタローネ様「チャイナ・ホー」呼ぶ。
ワタシ、ヤな予感した。
だから無視するアル。
「チャイナ・ホー」「チャイナ・ホー」
パンタローネ様、何度も呼び続ける。
ワタシ、闘い夢中のフリ。
「チャイナ・ホー」「チャイナ・ホー」「チャイナ・ホー」
パンタローネ様、諦めない。
諦めるヨロシ、ワタシ祈りながら闘う。
「チャイナ・ホー」「チャイナ・ホー」「チャイナ・ホー」「チャイナ・ホー」「チャイナ・ホー」「チャイナ・ホー」
パンタローネ様しぶとい、ひたすら呼び続けるヨ。
見かねた親切なしろがね、呼んでるぜ言たアル。
余計な親切アル。
仕方なく、嫌々しぶしぶ振り返たアルよ。
パンタローネ様言た。
「チャイナ・ホー、お前は今日からブーだ!
最初、
ワケわからんかたアル。
でも思い出した。
思い出したくなかた。
パンタローネ様、毎週毎週土曜夜8時、
メモ片手に
ドリフ見てたアル。
とても研究熱心。フランシーヌ様笑わすため必死、努力家アル。
でも努力ムダ。
また、何かムダなコントやるに決まてるヨ。
戦闘中アル、でもパンタローネ様、上機嫌。
「わしは長介じゃぞ♪ それでな、あとのメンバーはと・・・」
パンタローネ様、一応リーダー。
だから長介わかる。
しかし、ワタシなにゆえブーか? ちょと困惑、
でも逆らえない。逆らう恐ろしい、すぐ怒る。
いや怒るまだいい、最後泣くアル。だから我慢する。
アタマ下げて身を伏せて、ひたすら嵐やり過ごすヨロシ。
パンタローネ様、闘いながら残り3人、けんと茶と工事捜すアル。
でも皆逃げる。
自動人形、みな危険察知するウマイ。
ワタシの兄弟皆逃げた。
パウルマンも逃げた。
逃げ遅れたデュクトリシオンども、
けんと茶と工事にされかけた。
ハッピ着せられかけた。
だから皆すぐ自爆した。
たいへん潔かたアル。
そして誰もいなくなたアル。
敵のしろがねメンバーにするか思たら違た。どうやら奴らは観客のつもりらしい。
闘う観客アル。
きと、お化けコントで「うしろー!」言わせる気アル。
だから
ワタシとパンタローネ様二人きり。
長介とブー、コントにならないアル。
カミナリ様コントでも工事いるアルよ。そう思て言たネ。
でもパンタローネ様諦めない。
とても意志強い、
ムダに強い。
二人でコントする言い出した。
今戦闘中アル言た。
でも聞かない。
だから年寄り頑固アル。
いきなり叫ぶヨ。「8時だヨぉ!」
まだ6時アル。
誰も相手しない。
「8時だヨぉ!」パンタローネ様くり返す。
誰か拾うの待てるアル。
「8時だヨぉ!」「8時だヨぉ!」「8時だヨぉ!」「8時だヨぉ!」「8時だヨぉ!」「8時だヨぉ!」拾うまで続けるつもり。
ワタシ、哀れに思てつい口にしたアル。「全員集合!」
コレまずかた。
パンタローネ様調子づいた。
えんやーこーらやー歌い出す。一生懸命練習したらしいアル。ムダな練習アル。でも当人真剣、闘いながら歌うアル。だからつい手拍子したアル。
やぱりコレもまずかた、ますます増長した。
ダメ、ヘタクソ、ヤメロ言う、コレすなわちホントの親切。
でもワタシ言えない、ホント情けないアル。
今度は「オーぃッス!」叫んだ。やぱり長介の気。
よく見ると下唇突き出してるアル。
ワタシ、もうヤケ。
やぱり闘いながら「オーーーッス!」元気に叫んだアル。
「しーっ!!」
きと忍者コントのつもり。
声ひそめて「おーっす」言うネ。ワタシもつられて「おーす」言うアル。
どんどん調子づく。
これじゃマズイ、悪循環。ワタシ、ついに勇気だして制止した。
やんわりと、気を遣って、パンタローネ様オープニングコント二人じゃできないアルよ言た。
パンタローネ様、少し考えた。
また泣く思たらガタガタ震えきたヨ。
でも泣かなかたアル。
パンタローネ様言た。
「ダメだこりゃ。次行ってみよう!」
ホントダメ。
まだ続ける気アた。
今度ヒゲダンス始めた。
長介ヒゲダンスしない、言たけどムダ。一人で踊り出す。
いつの間にかラジカセ片手にしてるアル。
流れる音楽にあわせて、口にくわえたフォークにレモン投げて刺してくアル。
踊りながら、
ワタシ見てイェイイェイ言てる
ワタシも踊るヨロシ言てる。
ワタシさすがに踊らない。
ワタシ、自分捨てられなかたアル。ちょとためらうアル。
するとパンタローネ様、
ラジカセリバースにしたアル。
ヒゲダンス、
突如ドナドナに変わたネ。
ドナドナドナドナ
大音量で流しながら、
パンタローネ様また両膝抱えてしゃがみ込んだアルよ。
耳すますとぶつぶつ小声でドナドナドナドナ歌てる、
しかもヘ長調。
コレたいへん怖かたヨー。
だからワタシ踊る言た。
覚悟決めて諦めてヤケになって一緒に踊る言たネ。
パンタローネ様喜んでラジカセリバースした。すぐヒゲダンスになた。
二人で踊た。
互いにイェイイェイ言てレモンとフォーク投げあた。
ちょと失敗してフォーク顔に刺さた。でも全然マシ。
早く終わるヨロシ、
心でひたすら念じてたアル。
やと曲終わた。
よかた、助かたアルか?
 あとはエンディング、歯磨いたか宿題やたか、また来週〜ヨロシか思た。
でも違う。
ヒゲダンスの次、東村山音頭始またアル。
パンタローネ様歌い出す。
東クローグぅ〜♪ みわたぁ〜しゃ、キュベロぉン〜♪ 
替え歌アルからJASRAC、きと怒らない。
だから勢いづいて歌うアル。
東クローグ4丁目アル。
長介アルはずが、完全にけんになりきてるネ。
3丁目、2丁目歌い続けた。
そして最後に1丁目アル。
いっちょめいっちょめっ、ワァ〜オ♪
 すっかり自己陶酔しきてる思た。
でも違う、
パンタローネ様、横目で周囲の反応、チラチラチラチラ窺いながら歌てるアた。
誰も笑わない。
敵のしろがねども皆、闘うの止めてパンタローネ様見てるアル。
視線、冷たいネ。
コレきと同情、
さもなくば
憐憫のまなざしアル。
寒い、寒いアル。
思てたらパンタローネ様、今度はワタシちらちら見だしたネ。
いっちょめいっちょめ歌いながら、
すがるような目つきでこち見てる。
笑てほしい、
気持ちすごく伝わるアル。
でも笑えない。
やぱり笑えない。
寒い、寒いアル。
いっちょめいっちょめいっちょめいっちょめエンドレスで続ける。
全然笑えない。
寒いアル。
キリキリキリキリ、
また歯車軋みだしたアル。
油が乾くの自分でわかたアル。
でも笑えない。
パンタローネ様涙目になてきたある。
キリキリキリキリ。
敵もう
ずと哀れみの目でワタシ見てる。
キリキリキリキリ。
寒い。
いっちょめいっちょめまだ続く。
続けながらラジカセリバースした。
いきなりドナドナドナドナ流れるネ。
でもいっちょめいっちょめまだ続く。
ドナドナドーナードーナーーBGMにいっちょめいっちょめ歌てるアル。
キリキリキリキリ、油乾く一方アた。
カラダもガタガタ震え出す。
もう限界、壊れる思たアル。
だから逃げた。
両足からドリル出して、地面に穴掘て地下に逃げたアル。
でもパンタローネ様、両手で土かき分けて掘た穴追てきたネ。
暗くて見えないアルが、きとやぱり涙目。
いっちょめいっちょめ続けながら追てくる。
だからどんどん掘た。
地殻掘り進んでマントルに突入した。
マグマ熱かた。
でも全然マシ。とにかく逃げた。
けどパンタローネ様まだ諦めないネ。
だから逃げた。とにかく逃げた。
どんどんどんどん掘り進んで、ついに地球の反対側に抜けたアル。
地表出て、大急ぎで穴埋めたヨ。
そして完全に埋めきた。パンタローネ様、もう出てこれないアル。
やた、助かたヨー! 
安心してあたり見回すアル。どうやらブラジルらしかた、
ブラジル気づいたら急にサカーしたくなたネ。
だから近所のサカーグランド行て、遊んでる子供達に
サカーやらせて声かけたアル。
子供ら、ワタシ見たアル。
そしたら急に大声で
「うしろ! うしろ!」叫びだしたアル。
アイヤー、ブラジルまで来てお化けコントアルか?
 ワタシけんじゃなくブーね思いながら、軽い気持ちでうしろ見たアルよ。
そこで凍りついたアル。
クシャおじさんに化けたパンタローネ様、
ワタシのうしろでじとワタシ見てたアル。
油が乾いて声が出ないアル。
セリフない。
ホント、ブーになた気分アた。
そんなワタシにパンタローネ様、低い声で言たネ。
「チャイナ・ホーよ・・・お前、そんなにわしのコントがイヤなのか?」
返答困て、とにかくガタガタ震えてたアル

そしたらパンタローネ様、もと低い声でこう言たアル。

 

「・・・なら仕方ない。
コントは、またコントにしようかのぅ」

 

いきなりアタマの中、
ジャンジャカジャンジャカ音楽流れたアル。
音楽に合わせて、何人も大道具係出てきてサカーゴール片づけ始めたヨ。
今度は歌の準備ネ、
ゲストはジュリーだたアルか?
 薄れゆく意識の中、
ワタシ、
夢心地にそんなコト考えてたアル。
あんな思いするのはもうたくさんネ。
だからワタシ、名前呼ばれるたび、もうびくびくアルよ。