からくりサーカスオリジナルストーリー
「行け! ぶんぶんブラザーズ
からくりパクリオマージュムービーズ!」
「イェェェェイッ! ハッピーニューイヤーだぜイェイッ!」
「ワァァァオゥッ! ずいぶん時期はずれだけど、それでもハッピーニューイヤーだぜっ仔猫ちゃんたち! オレたち様こそ・・・」
「人気赤マル急上昇中っ! 超熱血欧風機巧活劇『からくりサーカス』でもっともハイパー&ジムスナイパーなウルトラコンビっ」
「もはや誰にも止められないッ! ラブリィ&スタジオジブリィなスーパーユニット」
「ケニスと」
「アノスの」
「ぶんぶん飛んでけ!」
「ぶんぶんブラザーズだぜっ、ヒューヒュー!」
「ぶんぶんブラザーズだぜっ、ワァーーーオッ!」
「ポォォォォォズッ!」
「・・・イェイッ! おニューなミレニアムを迎えて、あいかわらずハイテンションなオープニングだなブラザー」
「そうだなブラザー、あいかわらずなオレたち様には、Y2Kの誤動作もどこ吹く風だったもんな!」
「そうだぜブラザー! 誤動作なんて・・・何を今さらって感じだよな!」
「おいおいブラザー、それじゃまるでオレたち様が、日頃っから誤動作起こしまくってるようじゃねえか」
「おっとブラザー・・・そいつはオレたち様だけの秘密だったよな。うっかりしてたぜ」
「心配すんなよブラザー、そんなの黙ってりゃ誰にもバレねえぜっ! HAHAHAHAHA!」
「そうだなブラザー、堅くハートのインサイドにしまっておくとすっか! HAHAHAHAHA!」
「ところでブラザー、今日は何しに出てきたんだい?」
「おっと、すっかり忘れてたぜブラザー! 今日はだな、超熱血欧風機巧活劇『からくりサーカス』の世界で、いろんな映画を再現してくれてやろうってんだぜっ、イェイッ!」
「なるほど、そいつはグッドアイディアだぜブラザー! ちょうど10巻で、フヂタセンセが『ローマの休日』をパクったみたいにだな?」
「そうなんだぜ、フヂタセンセがパクって・・・おいおいブラザー、オマージュって呼んでやってくれよ。パクったなんてったら、センセが気を悪くなさりやがるからな」
「なるほど、こいつはうっかりしてたぜブラザー! パクリじゃなくってオマージュなんだなと・・・ところで、オマージュって何だい?」
「バカだなブラザー、そんなことも知らねえのか? いいか、耳の穴をかっぽじってよく聞けよ。オマージュってのはな、
『【hommage・仏】(1)尊敬・敬意(2)賛辞・献辞・・・広辞苑より』、
それが転じて
『主に映画・小説等で、先達に敬意を表して行う模倣・引用』
を言うんだぜっ!」
「おおっブラザー! よくわかったぜ、要するにオマージュってのは・・・パクリのことなんだな!」
「ワァーオッ! よくわかったなブラザー、さっすが賢いぜイェイッ!」
「賢いだろブラザー! パクリじゃねえけどパクってるオマージュを、早速紹介してやってくれ!」
「よーしブラザー、早速紹介してくれてやってやるぜ! まずは『ローマの休日』と同じくオードリー=ヘップバーン主演『マイ・フェア・レディ』だぜ!」
「オゥ、ブラザー! 確か、大学教授が貧しい娘をフェアレディに育て上げるってハナシだっだな。その『マイ・フェア・レディ』をからくりでパク・・・オマージュしたら、いったいぜんたいどうなんだい?」
「そうだなブラザー・・・そうだ! 大学教授がギイでな、反抗的で礼儀知らずなナルミをフェアレディに教育するって筋書きはどうだい?」
「なるほどブラザー! フランス語を教えたり、腕をくっつけて改造したりするんだな!」
「おおっとブラザー、なかなか反抗的でエキサイティングなストーリーになりそうだな」
「そうだぜブラザー、時には拳で語り合い、時にはクスリにものを言わせて愛と友情をはぐくんでく感動的なストーリーになるんだぜ。びっくりしたかい?」
「びっくりしたぜブラザー! そうして改造したフェアレディの前には、『頭●字D』もたじたじなんだな・・・すげえぜ、最高だぜイェイッ!」
「最高だろブラザー、峠の帝王って呼んでやってくれよ・・・どうだ恐れ入ったか! HAHAHAHAHA!」
「恐れ入ったぜブラザー、HAHAHAHAHA!」
「さてブラザー、今度は何をパクって・・・いやオマージュしてくれるんだい?」
「そうだなブラザー、今度は日本映画の最高傑作『七人の侍』だぜ!」
「待ってましたぜブラザー! 世界のクロサワ、『七人の侍』だったら今さら解説不要だな」
「そうだぜブラザー! おまけに古今東西パ・・・オマージュされまくってるから、今さらオマージュしても、どうってコトねえしな」
「そうだな、さすがだぜブラザー! これなら任せてくれ、自動人形に狙われた貧しい農村を守って戦う七人のしろがねのアクション巨編なんだろ?」
「そうだぜブラザー! しろがねと自動人形との激しい攻防戦なんだぜイェイッ! 7人のしろがねといえば、ナルミとギイとルシールと・・・おっとブラザー、あとの4人はどこから呼んで来ようかい?」
「しまったなブラザー、そうだな・・・コミックスにまだ出てないしろがね−Oのジョージとか、あとは適当にしろがね−P,Q,Rなんてのをでっち上げたらいいんじゃないかい?」
「なるほどブラザー! けどそれより、サーカス編で余ってモブ化してるヴィルマとか、ヒロとかノリとかをさらってきたらどうだい?」
「それもいいなブラザー。いっそのこと、出番のない阿紫花とか羽佐間を連れてきてもいいんだな。・・・それにしても、あまり強そうにない雑魚ばっかだな。これじゃアクション巨編にならねえんじゃないか?」
「心配すんなよブラザー! 映画を知ってるだろ? 役に立たない奴らは、どうせ途中で死なすんだからな。HAHAHAHAHA!」
「そうだったなブラザー。死なすんだったらモブでもかまわねえなっ、HAHAHAHAHA!」
「さてブラザー、この調子でどんどんオマージュしてこうぜ、次はなんだい?」
「そうだなブラザー、次は同じく邦画で『男はつらいよ』なんてのはどうだい?」
「なるほどブラザー! 超熱血欧風機巧活劇と超熱血下町人情喜劇のミスマッチが、たまらなくドラマチックなオマージュだな!」
「そうだぜブラザー! 寅さんがナルミで、ヨーロッパ各地で人形を壊しながら旅をして、行く先々で惚れちゃ振られをくり返していくんだぜイェイッ!」
「へえ・・・ナルミが、なんだな? ブラザー・・・」
「そうなんだぜ、画期的だろブラザー! それで一回ごとに必ず葛飾柴又に戻って、才賀勝に『お帰り、お兄ちゃん♪』って言わせるんだぜ」
「そうか・・・勝もなんだな、ブラザー・・・」
「それだけじゃねえぜブラザー! 柴又で必ずタコ社長とケンカになってな・・・おっと、タコ社長になるキャラがいねえようだな。善治か・・・いや仕方がない、フヂタセンセにカメオ出演いただかせてくれてやるとするか・・・ありゃ、どうしたんだいブラザー? 不満そうだな。センセじゃダメかい? タコは」
「いや、それはいいんだけど・・・けどよぅブラザー。ナルミが寅さんって設定には、決定的な欠陥があるぜ」
「えっ、そうかいブラザー? どこがミスなんだい?」
「それはだなブラザー、ナルミじゃ他人を笑わせられないんだぜ」
「おっと、そうだったなブラザー! オレたち様に笑われるコトがあっても、他人を笑わせることはできねえんだよな、ナルミは」
「そうだぜブラザー! どうせだったらトランクを常に持ってるギイの方が、より寅さんに近いってもんだぜ」
「なるほど、そいつは思わぬ盲点だったぜブラザー! トランクの中身のオリンピアをたたき売りながら歩くんだな?」
「そうだぜブラザー。それで夜中にこっそり取り戻すから、ぼろい商売なんだぜ!」
「すげえな、まさにグッド・ジョブだぜブラザー! それからおまけにギイの野郎が、『パリ・シャンゼリゼ・凱旋門、ちょろちょろ流れるセーヌ川、粋なレディが立ち小便・・・だよ』なんて口上を述べやがったら、全国の女性ファンは一撃でノックダウンだろうな!」
「そうだなブラザー! 間違いなくノックダウンで、横▲ノックもノックダウンだな。HAHAHAHAHA!」
「おっとブラザー、時事ネタも絡めていっそうセンセーショナル&ドラマチックだな。HAHAHAHAHA!」
「さてさてブラザー、勢いづいてきたところでどんどん行くとしてやろうぜ!」
「そうだなブラザー、調子づいてきたからどんどん行ってくれてやろうぜ! それじゃ次は・・・『タイタニック』なんてどうだい?」
「おっと、『炊いた肉』って言ったら大ヒット映画だなブラザー・・・それじゃナルミがディカプリオかい?」
「そうだぜブラザー、豪華客船で大西洋を渡ってるところを自動人形に襲われて、沈んでく船の中で悲劇のロマンスが芽生えるんだぜ!」
「なるほどブラザー! 例によってしろがねの名前を悪用して無賃乗船するんだな。それじゃ・・・クライマックスで氷の海に沈んでくナルミが、読者の連中の涙を誘うのかい?」
「おいおいブラザー、ナルミを殺したらハナシが続かなくなっちまうじゃねえか」
「おっと・・・HAHAHAHAHA! 心配すんなよブラザー、またどこかで復活させればいいだけのハナシだぜ」
「おおっ! わかったぜブラザー、7巻で見せたナルミ復活の・・・2匹目のドジョウを一緒に狙おうってんだな。さすがだぜっ、HAHAHAHAHA!」
「だろっ、ブラザー? さすがだろ? HAHAHAHAHA!」
「それだけじゃねえぜブラザー! 『タイタニック』のかわりに、超高層ビルに閉じこめて火をつけたら・・・」
「『め組の大吾』かいブラザー?」
「おいおいブラザー、『タワーリング・インフェルノ』だってば・・・それから、速度が落ちると爆発する爆弾を仕掛けたら『スピード』だしな」
「『止まると死ぬんじゃあ〜〜〜』だな、ブラザー! 『新幹線大爆破』のオマージュって言ってもいいよな!」
「そうだなブラザー、寛平ちゃんも千葉真一も皆びっくり! だぜ」
「おっとブラザー! たった今思いついたんだが・・・いっそのことだな、そうやってナルミをいったん殺して、ギイが改造し直すってのはどうだい? それで近未来のデトロイトで自動人形と闘うってのは?」
「ええと・・・そいつはなんだい? ブラザー」
「ヒントその1、『エイトマン』のパクリだぜブラザー」
「ああっ、『ロボコップ』だなブラザー? メカオタクのココロをくすぐるパ・・・オマージュだな!」
「『ロボコップ』だぜっ! 最後に空まで飛ばしてしまうからビックリ! だぜブラザー!」
「そうだなブラザー! ビックリついでにジャパニメーションの傑作、子供たちに大人気の『ポケ・・・
「おいおいブラザー! たとえオマージュでも『ポケ・・・ はタブーだぜっ! 著作権がうるさくて大変だからな!」
((C)Kさん、アイディア感謝!です ヤスオカ)
「おっと! 危ないところだったぜブラザー! それじゃネズミつながりで、ディ・・・
「おいおいおいおいブラザー! ますますヤバい方に振ってるじゃねえかよ!」
「えっ、そうかいブラザー? だって・・・奴らは平気でパクってるぜ、『ライ・・・
「ストップ! ストップだぜブラザー! それを言っちまったら物議をかもしかねないからな!」
「そ、そうかブラザー・・・わかったぜ、紳士的なオレたち様だから、だまっておいてやるとするか。HAHAHAHAHA!」
「そうだなブラザー・・・今日のところはこのくらいで勘弁しておいてやろうぜ。HAHAHAHAHA!」
「いやあ・・・ブラザー、こうやってみると『ローマの休日』の他にも、いろいろパクれるもんだな。『からくりサーカス』ってのはな」
「おいおいブラザー、くどいようだがオマージュって呼んでやってくれてやれよ」
「おっと、うっかりしてたぜブラザー・・・似てたから間違えちまったぜ。HAHAHAHAHA!」
「HAHAHAHAHA! ホントにうっかり屋さんだな、ブラザー! なあに、些細な間違いだぜ、ドンマイ!」
「そうだな、気にしないでおくとするかブラザー! とにかく、これだけオマージュすれば間違いなく『からくりサーカス』もますます人気急上昇だな! オレたち様が言うんだから間違いないぜ」
「そうだぜ、間違いないよなブラザー!・・・おっと、大事な映画を忘れていたぜ!」
「どうしたブラザー、どんな映画を忘れてたんだい?」
「それはだブラザー、ロマンス狙いだったら、『ウエスト・サイド・ストーリー』も悪くねえぜ!」
「おっとブラザー、そいつをすっかり忘れてたぜ! 全編を通じて繰り広げられる珠玉のミュージカルナンバー・・・もちろん、オレたち様の華麗なダンスもあるんだぜ♪」
「そいつはすげえなブラザー! どうしようっ、ブロードウェイからオファーが来ちまったらよ!」
「すげえだろブラザー、21世紀を迎えてワールドワイドに活躍するんだぜ!」
「そうだなブラザー! そして自動人形としろがね、敵対する組織の間で・・・ナルミとフランシーヌ様の間に恋が芽生えるんだな」
「そうだぜブラザー、ナルミとフランシーヌ様の間に・・・おいおいブラザー、それじゃオレたち様がお仕えしてやってるアルレッキーノ様の立場がなくなっちまうじゃねえか」
「心配すんなよブラザー! それで失恋したアルレッキーノ様が傷心の旅に出て、行く先々で悪者をやっつけていくんだからよ」
「おっとブラザー、そいつは『ギターを抱いた渡り鳥』だな。アルレッキーノ様が小林旭風に『ちょほ〜いと、待つのだよほ〜!』って颯爽と登場するシーン、すっげー楽しみだぜっ!」
「なるほどブラザー、『ちょ〜いと、待つのだよ〜!』だな! なかなかアルレッキーノ様が間抜けっぽくってグッドだな!」
「ちっちっちブラザー、『ちょほ〜いと、待つのだよほ〜!』だぜ! 長音に『h』をつけんのが、小林旭風なんだぜ。こうすることで、フランシーヌ様に捨てられたアルレッキーノ様の哀れっぷりが、よりいっそう強調されようってもんなんだぜ!」
「なるほどブラザー、その方が哀れに見えるもんな! さすがだぜ、それじゃもう一度・・・」
「ちょっと待て」
「・・・わかってねえなブラザー! いいか、もっと惨めったらしく長音を強調してだな・・・えっ、
あ、あ、あ・・・・・・アル、アル、アル・・・・・・・」
「おっとブラザー! アル=カポネかい? だったら『アンタッチャブル』が傑作だよな。ロバート=デ・ニーロがだな、フ・・・・・・
あっ、あっ・・・アルレッキーノ様!! いっ、いつからそちらに・・・・・・!」
「こっ、これは偶然でござりまするでありまする・・・。え、映画のハナシをしてたんですっ・・・アルレッキーノ様は、どんな映画がお好きですか? いやあ、映画って本当にすばらしいですねぇ。・・・・・・・・・・・・って、まだ怒ってます?」
「・・・・・・・・・はい、もう時間来ましたね。それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ・・・・・・っと。
(長い間、映画の魅力をありがとうございました。心よりご冥福をお祈り申し上げます・ヤスオカ)
・・・・・・って、許してもらえません?
そのぅ、また・・・遊園地に売り飛ばされるんですか? オレたち様は・・・」
「あはは・・・やっぱりブラザー、オレたち様、最後はいっつもこのパターンだよな・・・・・・」
「し・・・心配すんなよブラザー! たとえ売り飛ばされてもまた、手を替え品を替え、知恵を振り絞って必死に脱出を計ったりすればいいんだからな」
「なるほどブラザー、『大脱走』だな!? 地下道をこっそり掘ったり、オートバイで鉄条網を飛び越えたりすんだな?」
「そうだぜブラザー、血のにじむようなオレたち様の脱走劇はこれまた、映画史上に残ろうってもんだぜ」
「そうだなブラザー! 何しろオレたち様は・・・」
「今、超熱血欧風機巧活劇『からくりサーカス』で最もヴィジュアリティ&リアリティなスーパーコンビ!」
「世界のスターもぶっとび! 泣く子も呆れるウルトラユニット!」
「ケニスと」
「アノスの」
「ぶんぶん飛んでけ!」
「ぶんぶんブラザーズだぜ、イェェェェェイェッッッッ!」
「ぶんぶんブラザーズだぜ、ワァァァァァァオウゥゥゥゥッ!」
「ポォォォォォォズッ!」
「最後にみんな!・・・パクるときは、著作権に気をつけるんだぜ」
(fin)
(H12.1.16 R.YASUOKA
(Based on comic,
('Le Cirque de karakuri'
(by KAZUHIRO FUJITA)
おことわり:
本作は全くのフィクションです。
文中に登場する人物・団体・作品・事件・その他もろもろは、すべて架空の物です。
実在の物とは一切関係がないことをお断りしておきます。
なお、あらためて申し上げるまでもありませんが
筆者は、フヂタカヅヒロセンセを心の底からご尊敬申し上げ奉っています。もちろん文中の暴言も、すべて架空の物です。