アイヤー! パンタローネ、ヤメロ、言てるヨ。命令聞かないダメ、また、ヘタな芸見せられるアルヨ。パンタローネ、芸、ヘタね。すごくヘタ、ホントヘタね。フランシーヌ様笑わす、絶対無理、思う。でも、パンタローネ、芸好きネ。練習必死、そして、努力するアルヨ。ケド、努力ムダね。パンタローネの芸、全然つまらないアル。見せられる、辛い。死ぬほど苦痛。でもパンタローネ、芸好き。だから、芸の発表会する。みんな逃げる。コロンビーヌ、『そうそう、たちの世話しなくっちゃ♪』と逃げるネ。ドットーレ、『あ! ドナルドと約束してたんだ』と急に思い出して逃げるアルヨ。アルレッキーノ、『……いかんっ、これからフランシーヌ様とデートなのだよ』、ミエミエウソついて逃げるネ。いつでも逃げられるよう、みんなピリピリしてるネ。パンタローネが『芸』言う、すぐ、みんな逃げるね。六〇年前、パンタローネ、『しろがねどもをカンゲイしてやろう』言たネ。みんな逃げたアル。勘違いアタヨ、でも逃げた。テント、入口、狭い。いぱい殺到、いぱい転ぶ、いぱい踏まれる、いぱい死んだアル。阿鼻叫喚、地獄絵図ネ。パウルマンの生徒、アレでいぱい減たヨ。でも、逃げる、よろし。ワタシ、いつも、逃げ遅れる。ブラザーも一緒、逃げ遅れるネ。仕方なく観客なるアルヨ。観客三体だけ、でも、パンタローネ喜んで芸するネ。この新芸でフランシーヌ様を笑わせてやろうぞといつも言う。そしていつもつまらない芸するヨ。面白かたこと、全然ない。こないだの踊り、ジェスチャー思たネ。アザラシ、きとタテゴトアザラシよ。タテゴトアザラシ苦しむ。たぶん、腸捻転パンタローネ、ジェスチャーうまい、思たヨ。でもジェスチャー違う、パンタローネ一生懸命踊るヨ。それ見てブラザー、HAHAHAHAHA!と笑うネ。笑い袋でむりやり笑うアルヨ。でも、ワタシ純真、ワタシ正直。だからウソつけないから笑えない。ワタシ、うらやましいヨ。ウソで笑える、笑い袋、欲しかたよ。でもパンタローネ、『わしの芸で笑わせてやるぞ』とつけなかたネ。子供は親、選べない。人形も、作る人形選べないアル。これ不幸ネ、とても不幸ネ。ワタシ悲しいヨ。するとパンタローネ、笑わないワタシに気づく。そんなワタシ、見る。怒るまだいいヨ、でも怒らない。いじけるネ。隅こ行って、膝、抱えてしゃがみ込むアル。一〇分くらい動かないネ。ワタシ優しい、だから心配する。ようやく動き出すネ。そして、もう一度踊るネ。でもヘタね。腸捻転、悪化したみたいになたアルヨ。スキ見てブラザー、逃げてるネ。ワタシ、ひとりダヨ。置き去りネ。オマケに鎖で縛られてるネ。困たアル、パンタローネ、全然笑えないネ。ワタシ、笑わない。パンタローネ、ますますいじけるネ。今度、三〇分くらい動かなくなるネ。小さな声、歌てるアル。変な歌、ドナドナドナドナ、歌てるネ。そのスキ、逃げようとしたヨ。でも、鎖、きつい。動けなかたネ。もがいてるウチにパンタローネ、立ち直たアルヨ。『つまらないか? どこがつまらないか?』訊いてくるネ。全部つまらない。でもワタシ優しい、だから言えないアル。『こ、ここか? ここがつまらなかったか?』パンタローネ、言て、また踊るネ。三時間くらい踊るヨ。『ここはどうだ? ここは面白いだろう』と言て、次、五時間踊るアル。全然笑えないアル。だから、また落ち込むネ。八時間落ち込むヨ。八時間、ドナドナ歌うネ。誰もいないテント、ドナドナドナドナ聴こえるアル。怖い、怖いアルヨー。で、『そうか、わかったぞ!』言て再開するネ。『優雅さが足りなかったんだ! よし、ハプスブルグ宮廷風優雅な動きをミックスしてやろう』言て再開するネ。優雅アル、優雅になたアル。優雅な腸捻転。どんどんワケ、わからなくなるヨ。見るの苦痛ネ。壊れた方、マシ。そんな気になるヨ。だから逃げたアル。鎖、ほどいて逃げたネ。まるで天功みたいヨ、ワタシ。だからワタシ、鎖ほどく、うまい。でもパンタローネ、気づいて追かけてくるアルヨ。泣きそうな顔、して追てくるネ。怖いヨ、とても怖いアル。だから必死で逃げるネ。それ、パンタローネ、追かけてくるヨ。追かけながら、芸するネ。とてもヘタね。やぱりヘタね。だから逃げた、ドンドン逃げたアルヨ。北極まで行たネ、北極点で雪の中に隠れたネ。寒かた、辛かたアル。でも捕まる、芸見せられる、もと辛いアル。だから我慢ネ。三日位したら、吹雪で周り、全然見えなくなたネ。もう、見つからない、思たアル。よかた、助かたヨー! 思てバンザイしたネ。うれしかたよ。で、うれしかたアルから、北極点で記念写真、撮ろう思たネ。でも三脚無い。だから撮れないネ。困た思てたら、ペンギン来て、シャっター押してくれたヨ。チーズ、言てくれて撮たネ。北極のペンギン、とても親切。だからお礼言うネ。ありがと言たよ。そしたら、よく見たらペンギン違うネ。ペンギン違て、パンタローネだたヨ。パンタローネ、ペンギンのカブリモノしてたネ。肩をポンと叩かれたネ。いたネ。振り返ったうしろ、パンタローネがいたヨ。そして、言たアル。

『やぁチャイナ・ホー。ペン(ゲン)してたかな?』

寒かたネ、寒い北極、ますます寒くなたアル。そのまま、ワタシ、気を失たアル。あと、覚えてないネ。覚えなく、幸せアル。覚えある、きと地獄、絶対地獄ネ。だから、あんな恐ろしい思い、もうイヤ。パンタローネに逆らう、ホントによくないネ。