鬼切丸オリジナルストーリー
「鬼切丸小劇場」
プロローグ
はるかな昔に鬼のしかばねから生まれた、名も無き純血の鬼がいた。
同族殺しを天命とする彼は、角のないかわりに神器名剣鬼切丸をたずさえ、すべての鬼を斬れば人間になれると信じて永遠の時間をさすらっている。
しかし、鬼は時として人間の心に巣喰い、人間の中から生みだされ、けして絶えることがない。
那由多の鬼を塵にかえしながら、鬼切丸は今日も、鬼を斬る。
1
(貧しい農家。
(寝たきりの父とそれを看病する娘を前に、借金取りが証文をちらつかせている)
借金取り「おうおう、貸した十両、今日こそは耳をそろえて払ってもらおうじゃねえか!」
父「すいません・・・もう少しだけ待ってくだせえ(咳込む)」
借金取り「バカいうな!・・・しょうがねえ、それじゃ借金のカタに、この娘をもらっていくとするか・・・オラ、来いよ」
娘「いやあああ、おとっつあん!!」
父「やめて・・やめてくれぇ、この・・・鬼めぇ!」
借金取り「何とでも抜かしやがれ・・・そうよ、オレ様は鬼よ!」
鬼切丸の少年「・・・鬼!」
(鬼切丸の少年、いきなり現れて借金取りをたたっ斬る)
鬼切丸の少年「鬼ならば、鬼切丸で斬るまでよ!」
借金取り「む・・・むごひ・・・(ガク)」
2
(警察署の取調室。
(凶悪犯と二人の刑事が取調中)
凶悪犯「・・・すいません。オレが、やりました。ううう・・・(泣き崩れる)」
刑事A「やっと白状したか・・・」
刑事B「やりましたね! さすがは鬼のシゲさんの取り調べだ」
刑事A「わはははは! 鬼刑事の名前は伊達じゃないぞ」
鬼切丸の少年「・・・鬼!」
(鬼切丸の少年、いきなり現れて刑事Aをたたっ斬る)
鬼切丸の少年「鬼ならば、鬼切丸で斬るまでよ!」
刑事A「む・・・むごひ・・・(ガク)」
3
(美容院のパーマ台。
(二人の主婦が、パーマをかけながら週刊誌をながめている)
主婦A「ちょっと奥さん、この雑誌でまた嫁姑の特集してるわよ」
主婦B「あら・・・こっちもよ。ホント好きよねぇ、この・・・鬼嫁鬼姑っていうの」
鬼切丸の少年「・・・鬼!」
(鬼切丸の少年、いきなり現れて週刊誌をたたっ斬る)
鬼切丸の少年「鬼ならば、鬼切丸で斬るまでよ!」
週刊誌「む・・・むごひ・・・(ガク)」
エピローグ
はるかな昔に鬼のしかばねから生まれた、名も無き純血の鬼がいた。
同族殺しを天命とする彼は、角のないかわりに神器名剣鬼切丸をたずさえ、すべての鬼を斬れば人間になれると信じて永遠の時間をさすらっている。
しかし、鬼は時として人間の心に巣喰い、人間の中から生みだされ、けして絶えることがない。
那由多の鬼を塵にかえしながら、鬼切丸は今日も、鬼を斬る。
(fin)
(H11.05.04 R.YASUOKA)
(based on;
('ONIKIRIMARU'&'A condemned criminal next on you';
(by Kei Kusunoki)