茶房「起承転結」オリジナルストーリー
「盂蘭盆会(うらぼんえ)」その4

 

 その時、きゅうに空が明るくなったかと思うと、空中からしゅん一おじさんがあらわれて、じめんにおちました。まさ子おばさんがそれをみて、

「パパー。」

 と言ってかけよりました。しゅん一おじさんは、

「うわー。やめてー。ぬるいよー。たすけてー。」

 と言いながら川へとびこんで、りょうてをぶんぶんふりまわしてましたが、まさ子おばさんが川へはいって、しゅん一おじさんにだきついて、

「パパ−。あたしよ。おちついてー。」

 と声をかけますと、しゅん一おじさんは気がついて、まさ子おばさんやまわりを見て、

「あ、た、たすかった、帰って来たんだー。」

 と言ってから、まさ子おばさんをだきしめてなき出しました。

 それを見ていたおじいちゃんが、

「よかった、帰ってきたんだねしゅん一くん。」

 と言いますと、おばあちゃんが、

「本とにごめんね。いつもふみえのあほたれが。あ、あれ。あいつどこいった。」

 と言いながら、あたりをみまわしました。いつの間にか、ふみえお姉さんがいなくなっていたので、おじいちゃんも、

「ふみえ。おい、どこへいった。」

 と、まわりをさがしました。みんなも一しょにさがしますと、くらくてよくわかりませんでしたが、よく見ると、ちゅう車場のほうへ走ってくふみえお姉さんを見つけました。だから、

「あっち。」

 といって、ふみえお姉さんのほうをゆびさしますと、おじいちゃんが、

「いかん。さてはあいつ、にげるきだな。」

 といいました。そうしたら、おばあちゃんが、

「にがさんよ。にげられるとおもうのかい、ばかむすめ。」

 といいながら、車いすをそう作しました。すると、車いすはへんけいして、きょ大ロボットになりました。せ中のジェットが火をふきますと、おばあちゃんをのせたままジャンプして、そのまま空をとんで、サーチライトとレーザーサイトをふみえお姉さんにしょうしゃして、ネットほうをはっしゃしました。ネットミサイルはあみになって、ふみえお姉さんをつかまえました。おばあちゃんはちゃくちすると、ころんでばたばたするふみえお姉さんをつかみました。すると、ふみえお姉さんがジーパンのポケットからコンパクトランチャーをだしてかまえました。ふみえお姉さんのコンパクトランチャーは、きょ年の花火のときに、おばけ朝がおとおじいちゃんの家のはん分をふきとばしたので、またうつのかなとおもってたら、ふみえお姉さんがうつまえに、おばあちゃんは電げきショックビームではんげきしました。かみなりみたいにひかったとおもうと、ふみえお姉さんはきぜつしてしまいました。すると、おばあちゃんはふみえお姉さんをつかまえたまま、もどってきました。

 もどってきたふみえお姉さんはまだきぜつしてましたが、おじいちゃんは、

「えーい、このマッドサイエンティスト。あほみたいなもんばかりこさえよって。」

 とぷんすかおこりました。すると、そのよこで、しゅん一おじさんとまさ子おばさんが川から上がってきたので、お母さんは、しゅん一おじさんに、

「ねえ、しゅん一さん。なに。あれ。」

 と聞きました。すると、しゅん一おじさんは、そびえたつロボットをみると、

「あ、すごいですね。またお父さんが作ったんですか。」

 と言ったので、お母さんが、

「なに言ってんです。あれ、あなたの車いすでしょ。」

 と言いました。すると、しゅん一おじさんは首をぶんぶんふりだして、

「え。いや、いやいや、いやいやいや、ぼく、あんなの、いや、まさか、いや、ぼくあんなのせっ計ませんよ。」

 と言いました。すると、おじいちゃんが、

「おれがかいぞうしたんだよ。だいじなばーさまをひったくりからまもらんといけんからのー。すごいだろ、まこと。」

 と聞いてきたので、

「うん。かっこいい。」

 と答えると、おじいちゃんはうれしそうに、

「そうじゃろ。なにしろ、小岩のしょうてんがいじゃ、正ぎのターミネーターとよばれて、わるがきたちをちの海にしずめてきたけんのー。」

 と言ったので、小岩に海があったのかな、と思ってますと、えみちゃんが、

「すごーい。おばあちゃん、ボルトキングみたいだったよー。こんどえみちゃんものせてー。」

 と言いました。すると、おばあちゃんはにっこりうなずいて、

「いいよ。おばあちゃんといっしょに、わるものたいじしよーねー。」

 といいました。でも、うしろで、お母さんは、小さな声で、

「ちすじよ、ちすじじゃないの。」

 と言ってました。

 そのあと、お父さんはひがいじょうきょうをしらべてました。おとうさんはてけいさんでタイムマシンのリープきどうのかいせきをしながらなのでたいへんです。みんなのうでどけいやカメラをしらべましたが、ほとんどこわれてしまってました。しん水公園のがいとうとか、ほかの車とか、電光けいじばんもこわれてしまってたので、しゅん一おじさんがじむしょにあやまりに行きました。しゅん一おじさんとよう子を見に来た公園のおじさんは、

「あなたがた、一体なにをしたんですか。」

 と聞いてきたので、お父さんがせつ明しましたが、わかってもらえなかったみたいでした。だから、しゅん一おじさんとお父さんとお母さんとまさ子おばさんとで、とにかくあやまってました。

 公園のおじさんが帰ったので、ふみえお姉さんを見ると、ふみえお姉さんは川らに正ざさせられて、おじいちゃんとおばあちゃんにおせっきょうされてました。おばあちゃんが、

「あほたれ。とんま。あんぽんたん。あんたねー、いい年してなんで、やってええこととわるいことのくべつもつかんのよー。」

 と聞きました。でも、ふみえお姉さんは、

もくひけんをこうしするわ。べんごしがくるまでひとこともしゃべんないからね。」

 と言いました。すると、おばあちゃんが、

「そんなもんいようがいまいが、けいはしっこうするからね。しず馬、それおわったら、こいつ、はこづめにして川にすててきてよー。」

 といいました。すると、ふみえお姉さんは、

「わー。やめて。うそ。ごめんなさいママ。はんせいしてます。」

 と言って頭を下げてました。そのよこで、おじいちゃんが、お父さんに、

「しず馬、どうだ、き道計算は。」

 と聞きました。すると、お父さんは、

「うーん、がい算とかんいそくていしかできないけど、ざんりゅうイオンがほどほどあるから、それほどとんでもないえいきょうはないと思うよ。」

 と答えました。すると、おじいちゃんは、

「そうか、それなら、大じょうぶかな。ご先ぞさまは。」

 とあん心したよう子を見せました。すると、お父さんは、

「でも、き道計算はいちからやりなおしだよー。ふみえ、おまえのせいだぞー。」

 と言って、またなきました。すると、ふみえお姉さんは、

「かいせきとかったって、どうせいいかげんな計算でしょ。しゅん一くんだって、こんなに早くかえってきたじゃん。」

 と言いました。すると、お父さんは、

「それなんだ。しゅん一くんがこんな、十分くらいで三じげんかするわけないんだ。いったい、どういうことだ。」

 と言うと、ふみえお姉さんがさっきセットしたきかいをひろってしらべました。ふたをあけて中をのぞいてますと、おじいちゃんがよってきて、いっしょにのぞきました。すると、おじいちゃんは、

「う。おまえ、こんなすげえものを。」

 とびっくりしてました。お父さんも、

「なるほど、これなら、本とにセリヌンティアじかいを、家てい用電げんではっ生できるかもしれん。」

 と言いました。ふみえお姉さんは、

「でしょでしょ。りろんじゃ、かこへはんてんできるんだけどねー。なんでしくじったかなー。」

 と言って、それからまたなにか言おうとしましたが、きゅうに、

「え。ちょっとまって。それじゃ。」

 とだまりこむと、てをくちにあてて考えはじめました。しばらくして、

「やだ、もしかして、これって、しゅん一くん、かこへそこうしたんじゃないの。」

 と、大きな声でで言いました。お父さんとおじいちゃんは声をそろえて、

「え。」

 と聞きました。ふみえお姉さんは、

「だって、ほかにせつ明つかないじゃん。しゅん一くんは、セリヌンティアじかいのえいきょう下で、ろうえいしたよじょうエネルギーのかんしょうをうけて、かこへしゃ出されたのよ。たまたま、しゃ出き道が三じげんとこうさくしなかったから、マイスナー時引力によってほうぶつせんじょうのき道をえがいて、ちょうどのブーメランみたいにげんざいにもどってきたんだってば。」

 とせつ明しますと、おじいちゃんとお父さんはふみえお姉さんによってきて、

「うそだろ。」

 とか、

「いや、そんな、いくらなんでも、そんなぐうぜんみたいな。」

 とか言いました。でも、ふみえお姉さんは、

「ぐうぜんがきっかけでしん歩することもあるでしょ。か学ってやつは。」

 と言うと、それから三人であつまってむずかしい話をはじめました。おばあちゃんが、

「あんたらねー。こんな時になにしてんのー。」

 と言いましたが、三人にはきこえなかったみたいで、ふみえお姉さんは、

「あー。もー。パピかクレーがつかえれば、ぱぱぱぱってき道計算できるのにー。なんでこわれちゃったかなー。」

 と言いますと、おじいちゃんが、

「おまえがこわしたんだろー。とにかく、ちょっとかいてみるか。」

 と言うと、ふみえお姉さんは、

「まことー。なんかかかくものもってきてー。」

 と言いましたが、お父さんがかわってメモちょうをふみえお姉さんにわたしました。すると、ふみえお姉さんは正ざしたまま、まえかがみになって、じべたにメモをおいてむずかしい計算をかきはじめました。お父さんとおじいちゃんはそれをのぞいて、

「うそ。」

 とか、

「そ、そんなまさか。しんじれん。」

 とか、

「行けるよ父さん、これ、ひょっとするかもよ。」

 とか言ってました。おばあちゃんが、

「まったく、こんなときにー。」

 と言いましたが、もう、三人ともむ中になってきこえてませんでした。ふみえお姉さんが、

「まじ。やっべー。やっぱあたし、天さいじゃん。

 と言うと、おじいちゃんが、

「ばか、ちょう子にのんな。じっしょうしけんをきっちりやりなおしてからの話だぞ。」

 と言いました。すると、ふみえお姉さんは、

「そうよね、同じじょうけんをもっぺんさいげんしないとねー。」

 とうでを組みました。すると、お父さんもおじいちゃんも、

「そうだなー。」

 と言ってうで組みしますと、それから三人とも、

「うーん。」

 とうなりながら、しゅん一おじさんのほうを見ました。すると、しゅん一おじさんは、

「な、なんですか、いやいや、みんな、なんでこっち見るんですか、ねえ、しず馬さん、先ぱい。」

 と、あとずさりをはじめますと、お父さんが、

「やっぱり、同じじょうけんでさいげんしないとだめなんだろうなー。」

 と、一人ごとみたいに言うと、ふみえお姉さんが、

「今すぐなら、ほかのじょうけんもそろってんだけどねー。」

 と続けて言って、そのあとに、おじいちゃんが、

しゅん一くん、どうかね。ちょっとだけきょう力してくれんかの。」

 と言いました。すると、しゅん一おじさんはりょう手をふって、

「やめ、やめてください。ぬ、ぬるいんですよ。ぬるくて、ぬめっとして、へんな色で、それからやたらまぶしくて。もう、あんなとこ、二どと行きたくなんかありませんからね。」

 と言いながらにげようとしましたが、うしろむきだったので、川らでころんでしまいました。ふみえお姉さんがしゅん一おじさんの手をひっぱろうとしますと、しゅん一おじさんは、

「わ、わー。」

 とさけんで、ころがってにげました。お父さんがおいかけようとしたら、まさ子おばさんがとめました。まさ子おばさんは、

「ちょっと、みんなしてなによ、パパになにすんのよー。」

 とおこってました。すると、ふみえおばさんが、しゅん一おじさんにむかって、

「しゅん一くん、ちょっとぐらい手つだってよー。また、耳のうしろなめてあげるからさー。」

 と言いますと、しゅん一おじさんは、

「え。いや、いやいや、いいです、やめて。もうやめて。」

 と首をふりました。すると、まさ子おばさんがふりかえって、しゅん一おじさんを見ますと、ずいずいとちかづきながら、

パパ。なめさせたの。なめてもらったの。耳のうしろ。」

 と聞きました。しゅん一おじさんは、まっさおになって、

「いや、そうじゃない、いやいや、ちがうんだよ、まさ子。ちょっと、おちついて。」

 と、すわったままあとずさりしました。でも、まさ子おばさんはきかないで、

「わたしはね、なめさせたのかなめさせなかったのかをきいてるのよ。どっち。パパ。」

 としずかな声でいいました。お母さんもお父さんにおこるときはしずかな声になるので、よくにてるなと思ってたら、しゅん一おじさんも、ちょうどお父さんがひらきなおるみたいに、

「だから、だから今はそういうもんだいじゃないだろ。おれが耳をなめられたとか、そんなのかんけーないだろ。」

 とぎゃくぎれして言いました。お父さんはまさ子おばさんときょうだいで、しゅん一おじさんとはきょうだいじゃないのですが、二人ともよくにてるなと思いました。そう思っていたら、まさ子おばさんは、

「バイバイ、パパ。」

 と言ってから、しゅん一おじさんをひっぱって、ふみえお姉さんたちのほうへおいやりました。ふみえお姉さんがしゅん一おじさんの手をつかまえると、

「ほら、おくさんのきょかもでたし、行って見よっかー。」

 とうれしそうに言いました。すると、しゅん一おじさんは、

「いやだ、いやだー。やめて、たすけて、まさ子、だれかたすけてー。」

 と言いながらにげようとしたのですが、おじいちゃんとお父さんにつかまって引っぱられそうになった時、ついに、おばあちゃんがおこりました。おばあちゃんは、車いすからマジックハンドを出しました。マジックハンドははりせんをもっていて、それでふみえお姉さんとお父さんとおじいちゃんの三人と、ついでにしゅん一おじさんもぽかぽかたたきながら、

「あんたら、なにしてんのー。おせっきょうのとちゅうでしょがー。」

 と言ったので、三人はわれにかえって、おばあちゃんに、

「ごめん。」

 とあやまりました。それから、

「まあ、じっけんはき道計算をきっちりやって、かせつをせいりしてからでもおそくないか。」

 と話しあって、しゅん一おじさんを実けん台にするのはあきらめました。だけど、ふみえお姉さんは、しゅん一おじさんに、

「しゅん一くーん。また、よろしくねー。」

 と言ったので、しゅん一おじさんはかおをひきつらせてましたが、

「いや、それどころじゃない。ママ。ママ。ごめん。ちがうんだよー。」

 と、まさ子おばさんのところへ走って、一しょうけんめいにあやまってました。

 そのあと、すっかりくらくなってしまったので、みんなであとかたづけをしてから、帰りました。しゅん一おじさんの車がこわれて、うごかなくなってしまったので、みんなでとまっていこうかと言いましたが、おじいちゃんとお父さんとしゅん一おじさんが明日しごとがあるので、お父さんの車で帰ることになりました。でも、ていいんオーバーだったので、おじいちゃんたちをえきでおろすまで、こう一くんとえみちゃんと三人で、外から見つからないように車の中でよこになって、かくれてました。お父さんの車もナビがこわれて、自どううんてんができなくなってしまってましたが、しゅん一おじさんがおさけをのんでなかったので、しゅん一おじさんがお父さんのかわりにうんてんすることになりました。お父さんとおじいちゃんとは、帰り道のと中、ずっと、

「しゅん一くん、ごめん。本当にごめん。」

 と、なんどもあやまってました。そのたびに、しゅん一おじさんは、

いやいや、いいんです。ほんと、もう、いいですから。」

 と言いました。うしろのせきで、ふみえお姉さんが、

「そうよお兄ちゃん、いいっていってんだから、なんどもあやまるとかえってしつれいよ。」

 と言いますと、おじいちゃんが、

「おまえのかわりにやってんだろがー、ちっとははんせいせー。

 とおこりました。お父さんも、

「おりろ。いますぐおりろ。母さんの車いすやるから、それのってかえれ。」

 とおこりましたが、おじいちゃんがあわてて、

しず馬やめろ、あいつにあれをあたえたら、せかいがあぶなくなってしまう。」

 ととめますと、お父さんはおじいちゃんに、

「父さん、どれだけかいぞうしてんだよー。」

 と言ってました。

 でも、ぜんぜんはんせいしてなかったふみえお姉さんも、車の中でこう一くんとえみちゃんとゲモスタンをやろうとして、セーブデータがこわれてるのがわかった時は、はんせいしてました。三人とも、キャラのレベルもアイテムも、データがぜんぶきえてしまったので、えみちゃんがなきながら、

「ふみ姉ちゃんのばか。とんま。ち女ー。」

 とおこったのを、えみちゃんの頭をなでながら、

「ごめん。さすがにこれはわるかった。ほん、とごめん。

 と言って、なんどもあやまってました。

 そのあとも、べん強したけっかをためすんだと言って、こう一くんがしゅん一おじさんの耳たぶをうしろからなめて、じこりそうになったり、またまさ子おばさんが、しゅん一おじさんに、

「ふうん、やっぱりなめてもらったんだね、耳。」

 とおこったりしましたが、ぶじ家まで帰ることができました。

 その日から、ふみえお姉さんはえたいのしれないけんきゅうをしないようにと、まいにちお父さんのけんきゅうじょにつれてこられ、こう一くんとえみちゃんのゲモスタンをあずかって、レベル上げをさせられてました。ふみえお姉さんは、

「なにこれー。いまのゲモって、あたしらんときよりむずかしー。」

 と言いながらやってたので、パーティーモードでレベル上げを手つだってあげました。さいしょ、ふみえお姉さんはファイアランをつかってサーバーをそう作して、一気にレベルを上げようとしましたが、お父さんにばれて、

「おまえ、いほうアクセスでシステムまではかいするきかー。」

 とおこられたので、ふつうにレベル上げすることになりました。でも、ときどきふみえお姉さんがあきて、

「まことー。お姉さんとプールいこっか。」

 と言ってきましたが、お父さんが、

「まこと。レベル上げがおわるまで、ふみえをじむ室から一歩も出すんじゃないぞ。」

 と言っていたので、ことわりますと、

「えー。じゃあ、おトイレにもいけないのー。」

 と言いました。すると、一しょにじむ室にいたじむいんのみぎわさんが、

「お手あらいでしたら、わたくしがごあんないするよう言われてます。」

 といって、トイレへつれて行きました。ふみえお姉さんは、

「まじ。やめてよー。かんしつきなんて、どこまでうたがってんの。」

 と言いながら行きましたが、しばらくしてから、帰って来ると、

「ばか兄き、つう風口にまでロックかけるなんて、どこまで妹をうたがってんのよ。」

 と言ったので、

「じゃ、ロックかかってなかったら、だっ走する気だったの。」

 と聞きますと。

「あは、あはははは。」

 とわらってごまかしてました。

 そのあとも一しょにレベル上げをしましたが、ときどきあきて、しゅくだいをてつだってくれました。せんたくかだいが電気の工作か長い長い作文かのどちらかと聞くと、ふみえお姉さんは、

「じゃ、電気工作にしよう。あたしがせっ計してあげるから、まことはざいりょうをあつめて来てね。」

 といって、ふみえお姉さんがせっ計図をかいてくれました。ざいりょうあつめも言われたとおり、あきかんやかん電池やいらなくなった金あみをあつめてますと、お父さんが、ふみえお姉さんのかいたせっ計図を見て、

「このあんぽんたん。こんなぶっそうなもん、子どもに作らせんじゃねー。」

 と、スリッパでふみえお姉さんのあたまをたたいてから、せっ計図をびりびりにやぶいてしまったので、工作はやめにして、かわりに、おぼんのことを長い長い作文にしてかくことになりました。わすれてたこととか、むずかしい言ばをおしえてもらいながら、この作文をかいています。お父さんがときどきよう子を見はりに来ましたが、ふみえお姉さんはそのたびに、

「ち女。」

 とか、

「きんだんの一せん。」

 とかかいてあるところを手でかくして、わらってごまかして、お父さんをやりすごしてました。お父さんが行ってしまうと、

「これでよし。いい。まこと、か学しゃはね、しんじつをありのままうけとめなきゃだめなのよ。だから作文も、うそやごまかしはせず、ありのままかくのよ。」

 と言いました。だから、

でも、さっきから、び人とかけとうそいったり、おばさんて本とのことかいたらおこるよね。」

 と言いますと、ふみえお姉さんはおこって、

「なんだと、このー。あたしがび人じゃないってのかー。」

 といって、体をくすぐってきたので、

「ごめんなさい。ごめんなさい。び人です。」

 とあやまりますと、ふみえお姉さんはやめてくれました。やめてから、

「大きくなっても、ちゃんとび人のふみえお姉さんってよぶんだぞ。」

 と言いました。

 かいてるとちゅうで、しゅん一おじさんとこう一くんとえみちゃんがあそびに来たので、こう一くんとえみちゃんと三人でゲモスタンをやりました。こう一くんは、

「なんだ。まだぜんぜんレベルもどってないよー。」

 といってましたが、でもたのしんでました。しゅん一おじさんは、ふみえお姉さんに、

「いやいや、それがですね、こないだのあれ、あの電げきショック。あれ、なんなんですか。あれいらい、長年のようつうがぴたっとおさまってんですよ。いや、本とに。あれ、いったいなんなんです。」

 と話してました。すると、ふみえお姉さんは、

「そうねー。しゅん一くんがじっけん台になって、ついしにつきあってくれたら、おしえてあげてもいいなー。」

 と言いました。すると、しゅん一おじさんはひっしに手をふって、

「いやいや、ぼくはもうこれい上は。でも、人体実けんいがいなら、うちのびょういんできょう力しますから。」

 と言ってから、しゅん一おじさんとふみえお姉さんは、ぎじゅつていけいがどうとか、とっきょけいやくがどうとか、むずかしい話をはじめてしまったので、こう一くんたちとゲモスタンをつづけました。こう一くんたちは、

「もういいよ。またレベル上げやりなおすから。」

 と言ってくれてゆるしてくれましたが、でも、

「ちがうよ。ふみえお姉さんがさわぎをおこしたから、レベル上げをさせてるんだって、お父さんが言ってたよ。」

 と言いますと、こう一くんは、

「そっかー、おしおきなんだね。だけど、ゲームがおしおきなんて、いいよね。」

 となっとくしてくれたので、まだレベル上げをつづけることになりました。

 こう一くんたちが帰ったあとも、作文かきとゲモスタンをしました。ゲモスタンはパーティーモードで手つだってあげました。アイテムのかくしばしょをおしえてあげますと、そのたびに、

「まこと、ありがとー。」

 と言ってくすぐってくるのがやでしたが、一しょにあそんだりしゅくだいができてたのしかったです。だから、ふみえお姉さんのことが大好きです。はやく大きくなって、ふみえお姉さんのけんきゅうを手つだってあげたいと思ってます。とかけと言われました。でも、本当にたのしかったです。

 

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  おことわり
本作はフィクションです。
本作に登場する、若しくは想起されるいかなる人物・事件・団体・場所その他も すべて実在のものとは全く無関係です。
なお、やっぱりおこがましいのですが本作の無断転載はご遠慮ください。

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