茶房「起承転結」オリジナルストーリー
「盂蘭盆会(うらぼんえ)」〜その1〜

 

   夏休みの思い出

二年四組 林田まこと 

 

 夏休みにみんなでおぼんに、たから川のしん水公園に行きました。

 前に先生におぼんの話をしたら、

「おぼんは四月じゃなくて、八月にするんでしょう。」

 と言いましたが、きょ年は四月でしたが、今年は八月におぼんになりました。

 でも、次のおぼんはいつになるかというと、お父さんが、

「ふみえのあんぽんたんのせいで、計算しなおさないとわからない。」

 と言ってたので、まだ、わかりません。

 お父さんとお母さんと車で、お昼すぎにしん水公園につきました。しん水公園は川のすぐ近くで、キャンプ場になっていて、みんなでおぼんの前にながしそうめんをすることになっていました。まだ早かったので一ばんについたのかな、と思っていたら、しゅん一おじさんとまさ子おばさんたちは先についてました。

 えみちゃんとこう一くんともひさしぶりにあったので、みんなでゲモスタンのたいせんをしようとしたら、お母さんが、

「そうめんのじゅんびが先でしょう。」

 といったので、そうめんのじゅんびを手つだいました。

 お母さんとまさ子おばさんとえみちゃんが、そうめんをたくさんゆでて、こおり水でひやしたり、めんつゆを用いしたり、つけあわせのじゅんびをしてました。お父さんが、えきにおじいちゃんたちをむかえに行ったので、こう一くんと、しゅん一おじさんと三人で、ながしそうめんのながし台をくみたてました。

 しゅん一おじさんが、じゅんかんポンプとじょう水ユニットを組み立てたので、こう一くんと二人だけでながし台を組み立てましたが、うまくできました。

 ながし台はまるでプールのウォータースライダーとか、ミニエアのコースみたいに、スパイラルになったり、アップダウンがあったりしてました。とくに、スパイラルになったところが、お父さんのけんきゅうしょにある、時間じくぎみたいにきれいなぐるぐるまきだったので、

「すごいなあ、これ。」

 といったら、こう一くんが、

「そうだろ、お父さんと作ったんだ。」

 と言ってむねをはったので、

「ミニエアが走らせられそうだね。」

 と聞いたら、

「うん。そうなんだ。おぼんがおわったら、ミニエアにかいぞうするんだ。」

 と言ったので、うらやましかったです。

 すると、お母さんも、まさ子おばさんとしゅん一おじさんに、

ごいわね、まさ子ちゃん。これも、ぜんぶしゅん一さんの手作りなの。」

 と、おどろいて聞きますと、まさ子おばさんが、

「そうなんです、お姉さん。この人、本ぎょうのいしゃよりも、こんなの作るほうがすきみたいなのよ。」

 そうしたら、しゅん一おじさんは、手をふりながら、

「いえいえ、自分は、こんなことしかできませんから。」とてれてました。

 お母さんは、

「そんなことないですよ。いいわね、き用なだんなさんって。」

 といいますと、

「いえいえいえいえ、しず馬さんみたいにタイムマシンのけんきゅうをしてる人のほうが、ずっとえらいですよ。」

 と、しゅん一おじさんはいいました。

「そんなことないですよ。うちのは、計算ばかりでほかに何にもできませんから。」

「いえいえいえいえ。しず馬さんたちこそ、ゆうしゅうなか学しゃの家けいしゃじゃないですか。ご先ぞさまもそうだし、お父さんだって、それから。」

 と、いいかけて、しゅん一おじさんは言ばにつまってしまいましたが、少ししてから、

「今日、ふみえ先ぱい、来るんですか。」

 とききましたので、お母さんが、

「ええ。おじいちゃんたちといっしょにこっちにむかっているそうですよ。」

 とこたえますと、しゅん一おじさんは、

「あは、あはははは。」

 といきなり、しずかにわらいはじめました。すると、よこからまさ子おばさんが、

「だいじょうぶよパパ、いくらなんでも、きょ年みたいなことは、ねえお姉さん。」

 といってなだめました。

 しゅん一おじさんは、きょ年の夏、おじいちゃんの家で花火をしたとき、おばけ朝がおにたべられそうになったので、それを思い出したのかな、と思って見てますと、お母さんが、

「そうですよ、しゅん一さん。みんなもいるから大じょうぶですよ。」

 と言いましたが、しゅん一おじさんは、

「い、いえ、平気です。ご心ぱいおかけしました。」

 と答えて、そうめん台の点けんをつづけました。そのあとはもうふつうにもどったみたいで、お母さんとまさ子おばさんと、

「そんなことないですよ。」

「いえいえいえいえ。」

 と、同じことをくりかえして話してました。しゅん一おじさんは、言うたびにいえいえいえがふえるのでおもしろかったです。

 ながし台ができあがったので、ゲモスタンをしようとしたら、えみちゃんが、

「まこっちもてつだってよー。」

 と言ったので、こう一くんといっしょに、そうめんのぐの用いをして、しいたけや野さいをあらったりしてると、お父さんがえきからもどってきました。

 おじいちゃんと、おばあちゃんと、び人のふみえお姉さんがいっしょでした。

 本当は、ふみえおばさんとかこうとしたら、この作文をかいてるとき、うしろに来たふみえおばさんが、

「まこと、作文にはび人のふみえお姉さんってかきなさい。」と言ったので、び人のふみえお姉さんってかくことにしました。そうかいてると、またうしろから、

「あと、天さいか学しゃともかきなさい。かれしぼしゅう中でーす、ともかくのよ。」とも言ったので、天さいかがくしゃでかれしぼしゅう中でーす、てかいておきます。

 今はまい日いっしょですが、このときはふみえお姉さんにあうのもひさしぶりだったので、

「こんにちは。おひさしぶりです、おじいちゃん、おばあちゃん、ふみえおばさん。」

 とあいさつしました。すると、おじいちゃんと、おばあちゃんは、

「こんにちは。ちょっとのあいだに大きくなったね、まこと。」

 といって、頭をなでてくれました。でも、ふみえお姉さんは、

「おばさん。おばさんっていったわね。おばさんって。」

 と言って、りょうのほっぺをつねったので、あわてて、

「び人のふみえお姉さん。」

 って言いなおすと、よろこんでくれて、かみ毛をくしゃっとなでてくれました。

 お父さんとおじいちゃんは、車からおりると、おばあちゃんの車いす車からおろしました。すると、しゅん一おじさんもきて、おじいちゃんといれかわって、お父さんといっしょにてつだいました。すると、まさ子おばさんが、しゅん一おじさんに、

「あなたー、気をつけてよー。ぎっくりごしさいはつしないでねー。」

 と言いましたが、しゅん一おじさんはへいきでした。

 まえにはつえをついていたおばあちゃんが、車いすにのってるのをはじめて見たので、心ぱいになって、

「おばあちゃん、大じょうぶなの。」と聞きますと、おばあちゃんは、

「あ、これ。へいきよ。しゅん一さんがせっ計したし作ひんの、モニターをしてるだけだから。」

 と答えてくれました。すると、おじいちゃんが、

「弱ってるのは足だけで、あとはますますたっしゃになっとるけんのー。」

 と言いました。そうしたら、しゅん一おじさんは、車いすを手つだいながら、

「どうですか。使い心ちは。」

 と聞きますと、おばあちゃんは、

「とってもいいわよー。さか道とかかいだんものぼりおりできるのって、本当に、べんりよねー。」

 と言いました。すると、しゅん一おじさんはび人のふみえお姉さんにも、

「ふみえ先ぱい、ひさしぶり。かっこいいかれしは、まだみつかりませんか。」

 と聞きました。すると、よこからお父さんが、

「むりですよ、こいつのこのかっこ見れば、わかるでしょう。」

 と答えました。すると、ふみえお姉さんは、

「しょうがないでしょ、お兄ちゃん。だって、でん車まにあわなくなりそうで、けんきゅう室からちょっ行してきたんだから。」

 と言いました。

 ふみえお姉さんがどんなふくをきてたかというと、いつも家にあそびにくるときと同じかっこうの、古くて色のおちたジーパンに、黒のポロシャツをきて、その上に、白いをはおってました。

 でも、ふくはともかくび人はび人です。すごいび人のお姉さんですとかけってまた言われたので、そうかきます。

 お父さんは、

「ふみえおまえ、こんな日まで大学いってたのかよ。」と言いますと、ふみえお姉さんは、

「しょーがないでしょ。だって出力ちょうせいが、いやいや、あわわ。

 と言いかけて、口をとじてしまいました。

 するとお父さんは、こわいかおになって、

「まさかおまえ、また何かたくらんでんじゃないだろうな。」

 と言いましたが、ふみえお姉さんは、

「ううん。何にも。何でもないですよ。」

 と、手をふって答えました。だけど、お父さんは、

「そんなのしん用できるかよ。だいたいおまえは。」

 とおせっきょうしようとしたとき、おじいちゃんが、

「まあまあ。いくらふみえでも、今日にかぎって、そんなわるさはしないだろ。」

 と言いますと、おばあちゃんも、

「大じょうぶよ、しず馬。小岩えきで合りゅうした時、ちゃんとしょじひんチェックしたけんね−。えーと、きょ年のあれ、さわぎになったあれ。」

 と言いかけたので、おじいちゃんが、

「トリエスタンワームホールはっ生き。」

 とおしえてあげますと、おばあちゃんは、

「そうそう、それ。それをまたもちこもうとしたからぼっしゅうして、その場ではかいして、えきのごみばこにすててきたからね。」

 と言いました。ふみえお姉さんも、

「そうそう。あたし、のみものしかもってこれなかったんだからー。しん用してってね。お、兄、ちゃん。」

 と言いました。お父さんはまだなっとくしてませんでしたが、しゅん一おじさんが、

「まあ、せっかくみんなもそろいましたし、一いきいれましょうか。」

 と言ったので、

「そうですね。」

 と言って、ふみえお姉さんをうたがうのをやめにしました。

 すると、ふみえお姉さんは、車の中から大きなクーラーボックスを出して、

まってました。ほら、のみものいっぱい用いしてきたんだから。」

 と、ビールやジュースをはこから出して、テーブルにならべました。

 それから、ふみえお姉さんは、

「じゃ、のこりは川でひやしとこ。」

 と言いながら、口ぶえをふいて、クーラーボックスをかかえて、川のほうへ行こうとしたので、しゅん一おじさんが、

「手つだいいましょうか。」

 と聞きますと、あわてたよう子で、

「ううん、いいのいいの。大じょうぶだから。」といって、一人で歩いて行きました。

 お父さんたちが帰って来たので、まず、みんなでのみものをのみました。

 お父さんとおじいちゃんとおばあちゃんはビールで、ほかのみんなはジュースやコーヒーやこうちゃをのみました。

 おさけがまわって、かおがまっ赤になったおじいちゃんが、お母さんに、

「なんだりんちゃん、おまえら、アルコールはのまんのか。えんりょしなくていいんだぞ。」

 と言ったので、お母さんが、

「でも、帰りも車じゃないですか。」

 と、はじめはことわりましたが、おじいちゃんが、

「どうせ自どううんてんじゃないか。のんだってよかよか。よかけんのー。」

 と言ったので、お母さんとまさ子おばさんは、かおを見あわせてから、

「じゃ、ちょっとだけ、いただきましょうね。」

 と言って、ビールをのみました。すると、おじいちゃんは、しゅん一おじさんにも、

「しゅん一くん、きみもどうだ。もうへいきじゃないか。」

 と聞きました。だけど、しゅん一おじさんは、

「すみません。まだ、においをかぐたび、思い出して。」

 と答えて、おさけはのみませんでした。すると、おじいちゃんは、

「そうか。そりゃ気のどくじゃのー。

 と言いました。すると、まさ子おばさんが、

「でも、よかったと思うわよー。おさけがトラウマになったって、きょ年からもう一てきものまなくなりましたからねー。」

 と、ビールをのみながら言いますと、お父さんが、

「そりゃ、かいぶつにしょうかされて、じぶんがアルコールにされそうになりゃーな。」

 とわらいました。すると、おばあちゃんが、

「あんなにすきだったのにねー。本とごめんなさい。うちのばかむすめが、とんだごめいわくをおかけして。」

 とあやまりました。すると、しゅん一おじさんは、

「いやいやいや、いいんです。いのちがたすかっただけでも、よかったとおもいます。」

 と言いますと、まさ子おばさんが、

「そうそう。ガンマジーティーピーも下がってくれたからね。」

 とうなずきました、すると、おばあちゃんは、

あらま。それじゃうちのじいちゃんも、のみこんでもらったらよかったかね。」

 と言って、大人だけでみんなしてわらいました。

 それから、だんだん大人のみんなが自分たちだけでもりあがって話をはじめたので、こう一くんとゆみちゃんと三人で、ゲモスタンのたいせんをしようとしたら、

「まーこーとー。」

 と、川のほうから小さな声がしたので、そっちを見ると、川でのみものをひやしていたふみえお姉さんが、岩のかげから手まねきして、ひそひそ声でよんでたので行きますと、ふみえお姉さんは、

「こっちこっち、ちょっと、手つだってよ。」

 と言いました。

「えー。これからみんなでゲモスタンするのに。」

 と言ったけど、

「つべこべ言わないの。」

 と言いますと、ふみえお姉さんはクーラーボックスをあけて、中にあったビールかんをひねってあけますと、中にきかいがかくしてありました。ふみえお姉さんは、

「うふふふ、はっ生きはおとりよ。こっちが本めいなのよねー。」

 とわらってから、それを、岩場の上にならべました。

 きかいは、ルムルミみたいなかたちで、六こありました。それをコードにつないで、ふみえお姉さんは、きかいを手にとって、

「いい。この六つを、あたしがいうとおりに、まわりにならべておいてくのよ。」

 と、メーターとランプのついたコントローラーをもって、見ながら、

「あっち。」

 と言ったので、言われたところに一こをもっていくと、

「もうちょっとうしろ。」

 とか、

「二ほ右にいって。」

 とか言うので、それにあわせて歩いてうごいていると、

「そうそう、そこおいて。」

 と言われたので、そこにきかいをおきました。

 でも、六このうち五こをおいて、さいごの一こをおこうとしたら、ふみえお姉さんが、

「岩場か。あぶないから、あたしがいくか。」

 と言って、もっていたきかいとコントローラーをとりかえてから、コントローラーのつかいかたをおしえてくれて、

「あたしがてき当にうごくから、メーターが大きくふれてランプがついたら言ってね。」

 そう言ってから、ふみえお姉さんは岩の上にのぼって、きかいをもって歩きました。そうしたらランプがついたので、それをおしえてあげると、そこのちかくでゆっくりうごいたので、メーターが大きくうごいたところをおしえたら、そこにきかいをおきました。

よし。じゅんびかんりょう。」と手をたたいて言いました。

「なんのじゅんびなの。」

 と聞きますと、ふみえお姉さんは、

「内しょ。でも、人るいのか学しに新たな一歩をふみ出すことになるのよ。」

 と言いかけた時、ぬれた岩場で足をすべらせて、

「きゃー。」

 とさけびながら。下の川におちました。

「ふみえお姉さん。」

 と声をかけて川を見ると、ふみえお姉さんはずぶぬれで、川の水につかったまましりもちをついていて、

「いたたた。まことー、引っぱってー。」

 と言って、手をのばしたので、引っぱり上げようと手をもちますと、ふみえお姉さんは、強く手を引っぱって、

そりゃ、おまえも道づれじゃー。」

 と言ったので、川の中にひきずられて、おとされてしまいました。

 二人とも、ずぶぬれになってしまいましたが、そのあと、一しょに水のかけあいをしたりして、たのしかったです。

 けれど、川から上がってお父さんたちのところにもどると、お母さんとおばあちゃんにしかられました。

「あんたたち、何やってんのよー。早くふくをかわかしなさい。」

 と言われたので。ふくをぬいで、スポーツタオルをこしにまきました。すると、しゅん一おじさんとまさ子おばさんが、

「あったかいとこにおいとこう。」

 と言って、ジェネレータのちかくでふくをかわかしてくれました。

 だけど、ふみえお姉さんは、おばあちゃんに、

「ねえ、あたしのタオルは。ジャージとか用いしてないの。」

 と聞きますと、おばあちゃんが、

「あるわけないでしょ。はだかでいなさい。」

 と首をふったので、ふみえお姉さんは、

「ひどーい、年ごろのわがむすめに、人まえではだかになれなんて、まともなおやのいうことじゃないわよ。」

 と言うと、おばあちゃんは、

「いい年したばかむすめが、ふくきたまま水あそびするほうが、よっぽどまともじゃないわ。自分でなんとかしなさい。」

 と言いました。すると、ふみえお姉さんは、

「いいわよ。そこまで言うなら、見せてやろうじゃん。あたしの、ストリップ。」

 と言うと、歌を歌いながら、白いをぬいで、ズボンのベルトをはずしはじめましたので、お父さんとおばあちゃんが、

やめろ、おまえ、本とにぬぐばかがあるか。」

 と言って、止めようとしましたが、す早くにげたふみえお姉さんは、おどりながらズボンをおろしました。でも、ズボンの下には水ぎをきてました。それから、ポロシャツをぬぎましたが、やっぱり、下に水ぎをきてました。ふみえお姉さんは、

「へへーん。そなえあれば、うれしいな。よー。」

 とおどりました。一人だけ水ぎをじゅんびしててずるいとおもったので、

「あー。自分だけ、ずるーい。」

 と言いますと、ふみえお姉さんは、

「そっかー。ごめんねー、まこと。うふふふ。

 とわらいました。お父さんとおじいちゃんとはすわりこんで、

「ばか。もう、しらん。」

 とあきれてました。ふみえお姉さんは気にしないで、ポーズをとると、

「どーお、あたしのか、ら、だ。ねえ、えみちゃん、あたしとママのおっぱい、どっちが大きいかなー。」

 と聞きました。すると、えみちゃんは、

「えーとね、ふみ姉ちゃんのがおっきーよ。」

 と答えました。すると、ふみえお姉さんは、

「そうかそうか。まさ子、あんたもかわいそうよねー。けっこんして子どもまでいるのにねー。」

 と言いますと、まさ子おばさんが、

「うるさい、ばか、牛え。おねーちゃん、子どもになに聞いてんのよー。」

 と、おこりました。でも、ふみえお姉さんは、

「わかったわかった、ごめん、まさ子。」

 とあやまりました。でも、すぐそのあとに、

「こういうことは、子どもじゃなくて大人にきかないとねー。」

 と、いきなり、しゅん一おじさんにむかってポーズして、

「しゅん一くーん。どう。あたしとまさ子、どっちセクシー?

 と聞きましたので、しゅん一おじさんのほうを見ますと、しゅん一おじさんは、

「え、いや、先ぱい、そんな、いきなりこっちにふらないでくださいよー。」

 と、あわててかおをそむけました。すると、ふみえお姉さんは、

「なに言ってんのよ。さっきのあたしのストリップに、あついしせんむけてたくせに。」

 と言いました。すると、しゅん一おじさんのとなりでまさ子おばさんが、こわいかおをして、

パパ。むけてたの。あついしせんをむけてたの。」

 と聞きました。すると、しゅん一おじさんは首をふりながら、

「ちがう、いやいや、いやいやいやいやいや、ちがう。むけてない。いやいや。」

 といやいやをいっぱい言ってましたが、まさ子おばさんがおこったままで、

「そうよ、どうせ男なんてむねがおおきいのがいいのよね。そんなにおっぱいがすきならさ、わたしとわかれて海道にゅう牛とでもいっしょになればいいのよ。」

 と小さな声で言いつづけてたので、しゅん一おじさんは、

「ごめん、ゆるして。」

 と、頭を下げてあやまりますと、まさ子おばさんは、

「なんであやまるのよ。やっぱり、やっぱりむけてたのね。パパ。」

 とますますおこってたので、おじいちゃんとおばあちゃんとが、

「こらこらまさ子、おこるあい手がちがうだろー。」

 そういってなだめますと、それを見ながらふみえお姉さんは、

「あはは、いけないわよまさ子−。ふうふなかよくしなくっちゃ。」

 とわらいました。わらいながら、白いを水ぎの上にはおって、ビールのかんをあけて、一きにのみました。すると、おばあちゃんがあきれて、

「あんたねー。そんな、ち女みたいなかっこしてからにー。」

 と言いましたが、おじいちゃんは、

「もういいほっとけ。のみなおしだ。」

 と言って、ビールをまたのみました。

 

 

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  おことわり
本作はフィクションです。
本作に登場する、若しくは想起されるいかなる人物・事件・団体・場所その他も すべて実在のものとは全く無関係です。
なお、やっぱりおこがましいのですが本作の無断転載はご遠慮ください。

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