からくりサーカスオリジナルストーリー
「島原傀儡舞〜元治二年・払暁〜

 

 元治げんじ二年という年は存在しない。

 その年の……グレゴリオ暦で云う千八百六十五年の……旧暦四月七日に改元が行われ、
その年は
《慶応元年》と名付けられた。

 これによって、元治二年という年は年表から消滅した。

 京都市中京区、光縁寺にたたずむ墓碑がある。

 そこには、

 《慶応元乙丑年二月二十三日歿
              
山南敬介藤原知信墓と刻まれている。

 改元後に刻み込まれたのであろう。そこにも、元治二年という年を見ることはない。

 しかし、

 元治二年という年は確かにそこにあった。

 その年に生きた者にも、死んだ者にも、

 元治二年という年は、確かに存在した。

 

【Contents】

1 坊城通 二人きりの道中 ・・・H20.01.01UP

2 正二先生、島原を往く ・・・H20.01.05UP

3 浅葱色の来訪者たち ・・・H20.01.12up

4 源さん、嘆息す ・・・H20.01.19up

5 痒み ・・・H20.02.03up

6 角屋・松の間 ・・・H20.02.11up

7 島原の作法 ・・・H20.2.17up

8 置屋は要点を話さず、狼狽する ・・・H20.3.2up

9 あやかし、再び ・・・H20.3.23up

10 傀儡舞〜黒衣の輪舞曲〜 ・・・H20.4.20up

11 局長・参謀・一隊士 ・・・H20.5.25up

12 楔と南瓜 ・・・H20.8.3up

13 君は恥ずかしくないのかね? ・・・H20.8.31up

14 紅 ・・・H20.9.14up

15 島原天神・明里 ・・・H20.9.28up

16 新選組総長・山南敬助 ・・・H20.10.4up

17 鋭い男 ・・・H20.10.18up

18 時間 ・・・H20.11.2up

19 坊城通・壬生寺門前 ・・・H20.11.9up

20 嘘と真実と冗談と ・・・H20.11.16up

21 立ちはだかる者 ・・・H20.11.24up

22 天神喪神 ・・・H20.12.07up

23 置屋は要点を話さず、矜持を守る ・・・H20.12.21up

24 六条・料理屋“束信” ・・・H21.1.1up

25 策士 ・・・H21.3.1up

26 策士(2) ・・・H21.3.28up

27 問いかける者 ・・・H21.4.26

28 京の蕎麦売り ・・・H21.5.6

29 京の街の夜に ・・・H21.5.6

30 王手飛車取り ・・・H21.5.10

31 手を繋ぐ者 ・・・H22.1.2

32 応える者 ・・・H22.1.3

33 前川邸・長屋門 ・・・H22.1.11

34 黒衣の天狗 ・・・H22.1.30

35 混戦 ・・・H22.3.22

36 十番隊組長・原田左之助 ・・・H22.4.4

37 Blade ・・・H22.5.5

38 一撃のゆくえ ・・・H23.4.16

39 三番隊組長・斎藤一 ・・・H23.4.24

40 緋襦袢の男 ・・・H23.4.30

41 観戦者たち ・・・H23.5.5

42 死闘(1) ・・・H23.5.15

43 死闘(2) ・・・H23.5.23

44 急転 ・・・H23.6.19

45 糸 ・・・H23.6.25

46 no side ・・・H23.7.9

47 割腹 ・・・H23.7.24

48 波紋 ・・・H24.11.04

49 歩く死人 ・・・H25.01.04

50 葬列 ・・・H25.01.06

51 点描(1)・朝の空 ・・・H25.02.03

52 点描(2)・観客の独白 ・・・H25.02.03

53 一人ともう一人と(1) ・・・H25.03.02

53 一人ともう一人と(2) ・・・H25.03.02

55 坊城通 春の足音 ・・・H25.03.02

56 終章(1)・原田左之助の快笑 ・・・H25.03.10

57 終章(2)・才賀機巧社事始 ・・・H25.03.20

58 終章(3)・情人(いろ)に持つなら ・・・H25.03.20

59 終章(4)・その背にはためくは ・・・H25.03.20

 

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  おことわり
本作は藤田和日郎原作のコミック「からくりサーカス」、
司馬遼太郎原作・結束信二脚本のテレビドラマ「新選組血風録」「燃えよ剣」等をモチーフにしたフィクションです。
本作に登場する、若しくは想起されるいかなる人物・事件・団体・場所その他も すべて実在のものとは全く無関係です。
また、本作に登場する沖田総司は「そうじ」が正しい読み、
山崎丞は「烝」が正しい名前ですが、
敢えて「そうし」と読み、「丞」と書くことをあわせてご了承ください。
なお、やっぱりおこがましいのですが本作の無断転載はご遠慮ください。

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